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閉会式が行われ、
優勝、青春学園中等部
準優勝は山吹中
第3位は銀華中
第4位は不動峰中
第5位は5位決勝戦で勝ち上がった氷帝学園中
この5校が関東大会に行くことに決まった。
私は小さなため息をついて
片付けや審判への挨拶を終える。
軽く走りながらみんなの所へ向かう途中、
トンッと誰かにぶつかる
『あ、ごめんなさい!って……亜久津、くん』
亜久津「あ?」
また痛いことされたりしたら嫌だな
亜久津「…青学のマネージャー、」
『…AAです…えっと、ぶつかってごめんなさい。もう…行きますね』
亜久津「……」
頭を少し下げてその場を去ろうとしたが
私の手首を掴んだ。
あの時とは勢いと掴み方が違うが
『あ、あの…』
少し、怖い。
今度は折られるんじゃないか
なんて考えてしまう。
亜久津「まだ痛てぇかよ」
『え、あ…いや、もう大丈夫だよ』
亜久津「…」
もしかして悪かった、とか思っているんだろうか
じっとこっちを見つめてくる彼に
私はどうすればいいか本当に分からず
あわあわしていると
千石「亜久津〜、なーにやってんのっ?」
亜久津「触んじゃねぇ。」
そう言って私の手首を離して
歩き出した亜久津くん。
『あ、亜久津くん!』
亜久津「…」
私の言葉に立ち止まる。
あの時は、怖かったし痛かったし
もう関わりたくない、なんて思った。
でも、試合を見て…何となく不器用な人なのかなって。
私も随分世話焼きだ。
お節介がすぎるなぁ、
『お疲れ様でした!また、越前くんと試合してくれたら嬉しいな』
亜久津くんは何も言わずに再び歩き始め
去っていった。
彼、根は優しいんだろうな…
千石「……Aちゃん、良かったの?許しちゃって」
『そもそも怒ってないよ。あ、いや…最初はちょっぴり…なんだコイツとは思ったけど…。今はもう、うん…亜久津くんのこと少しだけわかった気がするから』
千石「…そっか。優しいね、Aちゃんは。」
寂しそうな、少し苦しそうな顔で
私に微笑みかけた千石くん。
『……千石くんもお疲れ様。』
千石「あはは、ありがとう。Aちゃんにそうやって言われるなんてラッキーだなぁ」
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作者名:+1 | 作成日時:2023年3月15日 21時