ヒロインの色恋沙汰とかどうでもよき｡【梟谷】

格付けは覆せない ページ43

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嗚呼､ついにこの日がやって来てしまいました｡



「美紀ーめんどいよー」

「しょうがないじゃん､ほら行こ！」

皆さまお気付きの通り､そう学校です｡
始業式です｡サボりたい｡


美紀に引きずられるようにして教室に入る｡



「美紀､Aおはよー！」

「久しぶり〜！」


相変わらず入った途端に一軍女子も二軍女子もみんな挨拶をくれる｡


「おはよう､夏休みどうだった？」

「めっちゃ遊びまくったよ､Aは？」

「部活漬け」

「だろうな〜！」


何回やってもこの高いノリを保つのは疲れる｡
けど一軍に居たければついていかなきゃいけない｡


「真理とか彼氏出来た？」

「内緒」

「え､何それ」

「じゃあ美紀は？」

「出来てないよ」

「え、意外！？」


みんな美紀が赤葦のことを好きって知らないから「嘘ー！」なんて騒いでる｡

私も知らなかったら美紀めっちゃかわいいから彼氏居そうだと思うわ｡

「Aは？」

「ん？ 私に彼氏いると思う人手〜挙げて！」

「……」

「ゼロかよ」




泣くぞおい｡泣かないけど｡


「てかさ､見てよ」

ニヤニヤした意地の悪い笑みを張り付けて１人が指さすのはうちのクラスのカースト底辺男子｡


よくあるメガネとかじゃない､だけど､どうしようもなく陰キャでコミュ障｡だから底辺｡



「アイツと席近いんだよね〜まじ席替えはよ」

「うわ､最悪じゃん」


別に彼は美形ではないけど特別ブサイクってわけではない｡


ただ､彼はこの学年で「見下してもいい人」と格付けされてしまった｡１年の時にされた格付けは卒業までずっと付きまとう｡



嗚呼､底辺にだけはなりたくない｡

一世一代の勝負→←祭りの時に電話きても大体気づかない｡

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