準備中2(Aesop side) ページ6
こういう時はどうすればいいのだろう。
頭を過ぎるのはやっぱり彼だ。
手紙だけ置いて帰っちまえばいいだろと僕を囃し立てる。
勝手に動いて面倒な事になったらどうするんですか。
なんてひとりで考えてるうちに代わりの人が来たみたいだ。
緩みかけた頬を引き締め向き直る。
「あの、手紙のことなんですが」
「招待状のことだろう？外は冷える。中に入るといい。」
え、あ、あの？
ローブを纏った男は有無を言わさぬ空気を纏い僕を屋敷へ招き入れた。
中は広く、高そうな装飾品がここぞとばかりに立ち並んでいた。
僕が案内されたのは、個室。客間だろうか。扉も厚く重苦しい印象を受けた。
ガチャリと扉が閉まる音がする。
ローブの男と向き合う形で席についた。
「手短にお願いします。宿を探さなければならないので…」
「無理だ」
…え？
「ちょっと待ってください、無理って何ですか」
「招待状を持ってきた時点でゲームへの参加が決定してしまっていて…」
「もっとわかりやすく説明してくれません…？」
ゲーム？招待状？？
「落ち着いてくれ」
「でも」
「いいから聞いてくれ！」
「……っ…」
切実な声に冷静さを取り戻す。
ローブの男は、重苦しい雰囲気を醸し出しながら口を開いた＿＿。
彼から聞かされたことは大きくわけて三つ。
1つ目はこの荘園から脱出することは事実上不可能だということ。
荘園から出てしばらく経つとまた同じ道を通って元の場所に戻ってきてしまうらしい。
衣食住は充実しているが何処から出てきているのかもわからないとのこと。
2つ目はゲームに参加しなければならないこと。
ゲームで勝てば大量の賞金を貰えるのだとか。ルールは隠れ鬼のようなものとだけ説明された。
3つ目はルールについて。
荘園では毎日日記を書かなければならないらしい。書かないと追放されるのだそう。無事に外に出る訳ではなさそうだ。
わけがわからない。
いつの間にか用意されていた自分の部屋で、今日の出来事を整理する。
これは夢なんじゃないか。
夢だったら良かったのだけれど。
自分の収入じゃ買えるわけがないクッションの効いたベッド。
大きなクローゼットにふわふわのカーペット。
手渡された、日記。
彼は今ごろ何をしているのだろう。
僕を待っていてくれたのかな。
客の呼び込みでもやっているのかな。
…記録を、つけなくては。
僕はおもむろにペンを執った。
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灰色のもふもふ(プロフ) - 塩化なとりうむさん» コメントと応援ありがとうございます。励みになります！カタツムリみたいな速度になってしまいますがこれからも応援よろしくお願いします！ (2019年7月21日 16時) (
レス) id: 268e903cb0 (このIDを非表示/違反報告)
塩化なとりうむ(プロフ) - 望んでたシチュというか設定というか...ありがとうございます！！更新は無理せずに行ってくださいね。応援してます！ (2019年7月20日 20時) (レス) id: 9c32775155 (このIDを非表示/違反報告)
灰色のもふもふ(プロフ) - 7-10さん» わぁあー！コメントと感想ありがとうございます！もっと可愛らしい言い回しをして見たかったんですが語彙が無くて…。そう言って貰えると嬉しいです。更新楽しみにしててくださいね！(*´∀｀) (2019年5月7日 16時) (レス) id: 268e903cb0 (このIDを非表示/違反報告)
7-10(プロフ) - そら豆で飲んでた珈琲君が8割型ぶっ飛びました。控えめに言って好きです。更新全裸待機です_(°ω°｣ ∠)_ (2019年5月5日 3時) (レス) id: 9a172e50f5 (このIDを非表示/違反報告)
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