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女将軍の帰還 ページ41

ヒルメス本陣




ザ「誠に申し開きもございません、殿下。奴等め、まんまとぺシャワールへ逃げ込んでしまいました」


ヒ「謝ることはない。謝ったところで奴等が出てくるわけでもなかろう」


ザ「(お優しい、ヒルメス殿下……)」


ヒ「(俺かディアルが指揮を取っていれば、もう少しどうにかなったかもしれぬ…)」






眼前にひれ伏すザンデから顔を背け、ひそかにため息を漏らす。







ザンデは闘志はあっても、それに見合う戦果が乏しい。


将として経験の少ないディアルよりも、一人の戦士としての力量はないのだと、ヒルメスは思わざるを得ない。




兵は数よりも技能を増やすべきだ、と言っていたディアルの気持ちが分かる気がした。







ヒ「して、サーム。ディアルはまだ帰って来ぬのか」


サ「はっ、今しがた本陣に戻られたと報告がありました」


ヒ「ようやくか」






サームが頭を下げる。


ヒルメスはこの将もディアルの傍につかせておけば良かった、と今更ながらに思った。



サームにぺシャワール周辺の調査を任せ、ディアルから離したのはヒルメスである。




ヒルメスにとってサームはヒルメスの将であり、ディアルの目付役だった。


将としてアルスラーンの周囲を探らせるよりも、目付役としてディアルを守らせれば良かった。







サ『これにてこのサーム、王家にお仕えしてきた自分を改め、国をより善きパルスへ変えるがために心身を尽くす所存にございまする。殿下と閣下の旗元において……』






獅子の勲章を割り、サームはそう言った。


ヒルメスに忠誠を尽くす、とは一言も言っていない。





だがヒルメスは、サームが自分についたということを疑いもなく信じ込んだ。




サームからすれば、忠誠心はディアル一人にしか注がないつもりである。心外だった。








しかし、それを口にすれば激昂どころでは済まされないだろう。


ディアルについていくつもりが、ヒルメスによって思わぬ調査に派遣されたサームは、彼女が怪我をして帰ってくるのではないかと、落ち着いて待つことができなかった。






ドカカッ ドカッ ヒヒンッ





全員「!!」


サ「ディアル閣下!ご無事ですか!」


デ「ああ。無事だからそうあわただしくするな。落ち着けサーム」


サ「ああ、本当によく…!」


デ「怪我はないから。大丈夫だ」







念を押してそう言うディアルは、いつもの連れ添う愛馬ではなく、ベレーグの馬に乗っていた。

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咲き(プロフ) - アル戦ファンさん» シャプールかっこいいですよねぇ。アニメ漫画はほんとに残念でした。この小説ではもっと出番作るつもりです。もう少しでぺシャワールに着きます。アルスラーンとヒルメスが対峙する夜を書いたら、本編を再開する予定ですので、よろしくお願いいたします (2018年7月27日 16時) (レス) id: 36a679870d (このIDを非表示/違反報告)
アル戦ファン - 咲きさんのアルスラーン戦記の本編も楽しみに待っています (2018年7月26日 21時) (レス) id: 9f17638a99 (このIDを非表示/違反報告)
アル戦ファン - シャプールの再登場!私は彼も好きなんですよ。原作では生き残って欲しかったですよね(T_T)アルスラーンにとって信頼のおける武将になっていましたよね。万騎長一人でもアルスラーン派につくと心強いです。 (2018年7月26日 21時) (レス) id: 9f17638a99 (このIDを非表示/違反報告)
咲き(プロフ) - アル戦ファンさん» 本編と違ってヒルメス派ですからね。元々セレンはヒルメスと相性イマイチですから、一緒にいるせいで王族への反感も増しちゃってるんです。アルスラーンにも火の粉をかける反面、こいつならまだ希望あるか…?という感じですね (2018年7月22日 13時) (レス) id: 36a679870d (このIDを非表示/違反報告)
アル戦ファン - ディアル陣営、アルスラーンに対する評価が厳しいですね(^o^;)彼らもいつかアルスラーンの王としての才能に気づくのでしょうか。そして、ディアル、ある意味ピンチですね。 (2018年7月21日 22時) (レス) id: 9f17638a99 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2018年5月22日 7時

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