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胸が壊れそうだ ページ5

ダリューンside




ダ「おおおぉぉぉおおッッ!!!」


デ「ハァッ!!」







ガァアンッ!!



キンギギギギッ!!


ガギンッ!


ギギッガキィン!! ガン!


ゴギャリリリッ、ガギン!ガギンッ!!



キィイイッ!ガキィン!!







眼前を銀色の閃光がかすめる。


赤く熱い火花が散る。




全身の血が逆流し、沸騰しているような気さえするほど、体が熱かった。


燃えているのではないかと思うほどに、熱く、熱く、頭が上手く回転しない。





ただはっきりと分かるのは、相手への殺意と、腕に染み渡る尋常ではない痺れだけ。






俺はその時ほぼ無意識に、本能だけで攻撃を受け、本能だけで攻撃をしかけていた。









何も考えられない。








国に尽くすことも



殿下を護ることも



皆と合流することも




全て意識の外に、放り投げてしまっていた。








ダ「ディアル……!!」


デ「やっとだ…!ようやく本気の貴方と戦える!」


ダ「ほざけ!!」








これは戦いなどではない。


貴様を殺す。



それだけだ。





貴様に戦いを楽しむ余裕など与えるものか。






早く









早く俺の前から消え失せろ!!!









バガァンッ!!








デ「ッ!!早いな。もう、か!」


ワ「姉ちゃん!!」


ダ「素顔も叩き割ってくれる!!!」


デ「やれるものならなァ!!」









割れた仮面を放り捨て、ディアルは笑って刺突してきた。



俺はそれを剣で受け止め、槍で凪ぎ払う。






奴が鞍上から消え、黒馬が驚きいなないた。








ダ「ッ!」







ボッ!!




俺の片腕に手を付き、ディアルは脚のしなりを効かせて、俺の横面を蹴り飛ばそうとした。





間一髪でそれをよけ、しかし仕込まれていた刀で腕を斬られた。








ダ「おのれ、小賢しい!!」


デ「どうした、貴方ともあろう人が随分と口に余裕がないな!口より力に頼るか?力でしかあたしを負かせぬか!」


ダ「黙れ!!小娘!!」


デ「それしか言えんか!!」






嘲笑に斬撃が続く。


俺は槍でそれを弾き、刃の腹で奴の胴体を殴り飛ばした。









ゴプッ…!!





デ「っぐ……ぶぇ…!」


ザ「ディアル!!!!」








ザンデの絶叫が空を震わせた。


ディアルの体が、紅い飛沫の尾を引いて、崖の下へと落下していった。







デ「さすがだな」


ダ「!……っ」





風に運ばれてきた呟きは、俺の中の火に油を注いだ。

お前の笑顔は心が抉れる→←それで良いのだ



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咲き(プロフ) - アル戦ファンさん» シャプールかっこいいですよねぇ。アニメ漫画はほんとに残念でした。この小説ではもっと出番作るつもりです。もう少しでぺシャワールに着きます。アルスラーンとヒルメスが対峙する夜を書いたら、本編を再開する予定ですので、よろしくお願いいたします (2018年7月27日 16時) (レス) id: 36a679870d (このIDを非表示/違反報告)
アル戦ファン - 咲きさんのアルスラーン戦記の本編も楽しみに待っています (2018年7月26日 21時) (レス) id: 9f17638a99 (このIDを非表示/違反報告)
アル戦ファン - シャプールの再登場!私は彼も好きなんですよ。原作では生き残って欲しかったですよね(T_T)アルスラーンにとって信頼のおける武将になっていましたよね。万騎長一人でもアルスラーン派につくと心強いです。 (2018年7月26日 21時) (レス) id: 9f17638a99 (このIDを非表示/違反報告)
咲き(プロフ) - アル戦ファンさん» 本編と違ってヒルメス派ですからね。元々セレンはヒルメスと相性イマイチですから、一緒にいるせいで王族への反感も増しちゃってるんです。アルスラーンにも火の粉をかける反面、こいつならまだ希望あるか…?という感じですね (2018年7月22日 13時) (レス) id: 36a679870d (このIDを非表示/違反報告)
アル戦ファン - ディアル陣営、アルスラーンに対する評価が厳しいですね(^o^;)彼らもいつかアルスラーンの王としての才能に気づくのでしょうか。そして、ディアル、ある意味ピンチですね。 (2018年7月21日 22時) (レス) id: 9f17638a99 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2018年5月22日 7時

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