ザンデの主張 ページ1
ワ「ディアル姉ちゃん。見っけたよ」
サジャータを背に乗せたワフラーンが、丘の下を指差した。
ディアルは、仮面の奥の瞳をキラリと光らせた。
デ「よく会うものだな。…さて、吉と出るか凶と出るか」
眼下で馬を駆るのは、ダリューンと、あの白ずくめの女神官だった。
その後ろで、彼等を追いかけるのはもちろんルシタニア軍である。
ザ「俺が奴の首を取る。お前は女を殺れ」
デ「…いつからあたしに指図できるほど偉くなった」
ヒルメスにあたしを託されたのではないのか、と不本意な建前を口にするディアル。
本音を言えば、彼女もダリューンと戦いたい。
ザンデのために控えなければならぬと思うと、彼との貴重な対戦に、水を刺されるような気分になるのだった。
だがそれを口にすれば、尚のことうるさくなることも、目に見えていた。
デ「…まあ良いさ。高みの見物をしてやる」
ザ「フンッ。その隙に女に殺されるなよ」
デ「貴様こそ前の二の舞になるなよ。ヒルメスに報告のしようがなくなる」
ザ「フンッ！」
馬首を巡らして、ザンデは部下達を引き連れて丘へかけ降りていった。
昔はそこそこ仲が良かったと言うのに、今では憎まれ口を叩き合うようになってしまった。
それもこれも、ザンデのダリューンに対する侮りが、彼女を苛立たせているからだ。
ベ「良いノか？好きにさせテおイて」
デ「どうせ負ける。止めても無益なら、好きに泳がせて観戦を楽しむよ」
ベ「……死なんと良いガ」
デ「それはさせん。案ずるな」
ベレーグは赤い目を細め、ザンデ達へと視線を戻した。
またディアルの手が煩わされる事になりそうである。
ザ「ダリューン！今日こそ貴様の首を取って、天界の父に誉めてもらうぞ！！」
ダ「親孝行なことだ。だが、俺は別におぬしと戦いたいとも思わぬ」
ダリューンは随分と冷静だった。
ザ「貴様は父の仇だ！！」
ダ「否定はせぬが、おぬしの父上と俺とは、正々堂々戦って勝敗を決したのだ。それも元々、おぬしの父上がルシタニアの手先になって国を売ったが故。子として父の愚行をこそ恥じるべきではないのか？」
カッとザンデの顔が紅潮した。
ザ「俺の父がルシタニアの手先になったと！？父や俺は、パルスに正統の王位を回復するため！！あえて一時ルシタニアに膝を屈する真似事をしただけだ！！」
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咲き(プロフ) - アル戦ファンさん» シャプールかっこいいですよねぇ。アニメ漫画はほんとに残念でした。この小説ではもっと出番作るつもりです。もう少しでぺシャワールに着きます。アルスラーンとヒルメスが対峙する夜を書いたら、本編を再開する予定ですので、よろしくお願いいたします (2018年7月27日 16時) (
レス) id: 36a679870d (このIDを非表示/違反報告)
アル戦ファン - 咲きさんのアルスラーン戦記の本編も楽しみに待っています (2018年7月26日 21時) (レス) id: 9f17638a99 (このIDを非表示/違反報告)
アル戦ファン - シャプールの再登場！私は彼も好きなんですよ。原作では生き残って欲しかったですよね(T_T)アルスラーンにとって信頼のおける武将になっていましたよね。万騎長一人でもアルスラーン派につくと心強いです。 (2018年7月26日 21時) (レス) id: 9f17638a99 (このIDを非表示/違反報告)
咲き(プロフ) - アル戦ファンさん» 本編と違ってヒルメス派ですからね。元々セレンはヒルメスと相性イマイチですから、一緒にいるせいで王族への反感も増しちゃってるんです。アルスラーンにも火の粉をかける反面、こいつならまだ希望あるか…？という感じですね (2018年7月22日 13時) (レス) id: 36a679870d (このIDを非表示/違反報告)
アル戦ファン - ディアル陣営、アルスラーンに対する評価が厳しいですね(^o^;)彼らもいつかアルスラーンの王としての才能に気づくのでしょうか。そして、ディアル、ある意味ピンチですね。 (2018年7月21日 22時) (レス) id: 9f17638a99 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：咲 | 作成日時：2018年5月22日 7時
