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「Aおはよー！」
「あ、ななみんおはよ〜」
教室に入って1番に挨拶してくれたのは、ななみんこと 久保田 七海 ちゃん。
高校に入って1番に声を掛けてくれた人で、高校1年生から同じクラスの女の子。
「今日クラス替えだよ！Aと離れたらやってけないかも」
「ななみんコミュ強だから大丈夫だよ！
でも、離れたら寂しいなぁ…」
「もう〜！！可愛い奴め！」
私よりななみんの方が可愛いんだから、やめてよね。
調子に乗りそうだから絶対言わないけど。
そんな他愛もない会話をしているうちに、まわりがざわざわして、新クラスが発表されたんだな、と言うことが分かった。
「A！戦場にとびこむよ！！」
私の手を引いてクラス発表の輪に飛び込むななみん。
なんだか私、青春してるなって思っちゃったり。
「わぁぁぁ！！ななみんんんん同じクラスだよ！！！」
「うん！A、今年も宜しくね！」
修学旅行もある高校2年生、ななみんと同じクラスなんてかなりついているかもしれない。
そういえば、そろそろ言わないとなぁ。ななみんに、私のお兄ちゃんの話。
なんとなく、言えないでいる。あんまり言わない方が良いんだろうけど。幸い、井上って苗字は沢山いるから勘づかれた事はないし。
「ねぇ、ななみん。今日私の家来ない？」
「お〜、それは新手のナンパかなぁ？」
「もう、ななみん誘わない」
「ごめん嘘だよ〜。迷惑じゃないなら、行きたいな！」
「迷惑じゃないから誘ってるの〜」
「じゃあ、お言葉に甘えて」
確か、今日はお兄ちゃんレッスンだし、お母さんも友達とお昼食べるって言ってたし、気なんて使わずに相談できる。
それにね、この恋心は私1人で抱えるにはやっぱり苦しいの。
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作者名：芹沢 | 作成日時：2019年4月9日 21時
