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「ありがとうございました」
深々と頭を下げて帰って行く彼たちを見送る
A「こちらこそありがとうございました。
またいつでもいらしてくださいね！」
翔太「///あっ、あの、、、」
A「？？？。はい」
帰り際に振り返り何か言いたげな顔をして私を
見ている渡辺様。
翔太「今度は俺1人で来てもいいですか？」
小さな声でそう言ってきた。
A「はい。いつでも。お待ちしてますね」
笑顔でそう返すと、さすがアイドルのたまご
と言わんばかりの笑顔を返してくれた。
世の女性たちはこういうキラキラな笑顔に
虜になっているんだろうな。
こんな笑顔で真っ直ぐ見つめられると
そりゃドキドキしてしまう。
"はぁー終わった。"
店の中に戻り出してた洋服をたたみながら
レジの方へ目を向けるとカウンターの下に
何か落ちていた。それを手に取る
"キーケース"
きっと彼たちのだ。急いで店を出て帰った方向
へ走ってみる。
"もう、いるわけないか、、、。"
でもこれないと困るよな。何本ものカギが
付いてるキーケース。
これじゃお家にも入れないよね、、、。
とりあえず店に戻って、雅に電話してみよう
prrrrrrrrrr.....
店に戻ると電話の呼出音が鳴っていた
急いで電話に出る
A「はい。Remoreです」
翔太 「もしもし。さっき伺った渡辺です」
A「 あっ！渡辺様。カギお忘れですよね？
カウンターの下に落ちてて。」
翔太「そうです！あー良かったー。」
電話口からも渡辺様の安堵してる顔が想像できる
A「すみません。私が帰られる時に
きちんと見ておけば良かったのに。」
翔太「いやいや。自分が悪いんですから。
今から取りに伺っても大丈夫ですか？」
A「大丈夫ですか？もしあれなら
私がお近くまでお持ちします」
翔太 「いえっ。まだそんな遠くに行ってなか
ったんで、もうそちらに向かってます(笑)」
A「あっ。ホントですか？じゃあ
お待ちしてますね」
電話を切って洋服を片付け、売り上げ計算を
しながら来るのを待った。
「すみません。」ハァーハァーと息を切らしなが
ら渡辺様が入ってきた。
「えっ！大丈夫ですか？走ってこられたんですか？」
「はい。もう帰られる時間じゃないかと思って
お待たせしたら悪いから。走りました(笑)」
「そんな気を使って頂いて。私は全然大丈夫
ですよっ。いつももっと遅いんです帰るの」
「いやっ。。。会いたかったんで。」
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作者名：せりか | 作成日時：2020年4月10日 21時
