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昼過ぎにAの部屋を出た
忙しくて買い物にも行けてなかったから
買いたいものがたくさんあった
ふらっと立ち寄ったジュエリーショップ
目に入ったのはシルバーとピンクゴールドのペア
のブレスレット
「あーこれA似合いそうだなー」
なんて思いながら見てると自然とにやけて
しまう。
「彼女さんへのプレゼントですか？」
店員さんに話しかけられる。
「まぁーはい。そうです...。」
ガラスケースから出してもらい付けさせてもらう
「すみません。これお願いします」
「ありがとうございます。
メッセージも刻印出来ますよ」
「あーそうなんですか❔うーん。どんなのが
いいんですかね❔俺あんまりそういうの分から
なくて(笑)
お任せでお願いしてもいいですか？」
「かしこまりました。」
待ってる間もAの顔が浮かぶ。
「これこっちは俺付けて帰りたいんで。」
Aのだけラッピングして貰った
早く渡したくて、喜ぶ顔が見たくて
ここから近いAの店に立ち寄る事にした
Aの店に近づくと中からAと
客らしき男が出て来た。
隠れなくてもいいのに反射的に俺は何故か
隠れてしまった
少し離れてたから会話の内容はあまり分からな
かったけどきっとあの男はAに気がある
んだろうと言うことはわかった。
Aもニコニコしてその男の話に相槌を打って
いる。
その時その男の手がAの頭を優しく撫でた
俺は無性に腹が立った。
「人の女の頭をきやすく撫でてんじゃねぇー」
って怒鳴り散らしたかったけどぐっと堪えた
馴れ馴れしく触るその男にもだけど
なんの抵抗もせず触らせたAにも腹が立って
仕方なかった。
Aを触っていいのは俺だけじゃねぇの？
あんなに自然に触られるってどんだけ隙があん
だよ...。
プレゼントをやる気分じゃなくなり声をかける
事もなく来た道を戻った...。
「あーイライラする...」
どれくらい歩いただろう...。
買い物をする気にもなれずさっきの
男とAの顔が頭から離れない
酒でも買って帰ろっ...
そう思った時だった...。
「......翔ちゃん？......。」
聞き覚えのある声と呼び名。
その声に足がピタッと止まる
俺をちゃん付けで呼ぶのは1人しかいなかった
ゆっくりと振り返るとたしかにそれは
りなだった...。
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作者名：せりか | 作成日時：2020年4月10日 21時
