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翔太くんがぐっすりと眠ったのを確認して
握ってた手を離して布団をかけた。
寝室を出てリビングに行く。
キッチンを借りておかゆ作り。
日頃全く自炊しないと言っていた翔太くん
キッチンがそれを物語っている
お米とか玉子とか調味料もなにもないだろうと
思って全部購入済み。
買ってきて正解だった。
冷蔵庫の中にはミネラルウォーターとビール
野菜ジュース。飲み物ばっかり。。。
日ごろなに食べて生活してるんだろ？(笑)
冷蔵庫に買ってきたものを入れて、おかゆが
出来上がるのを待つ。
ふとテーブルのうえに置いてある雑誌が
目に入った。
近づいて手に取ってパラパラとめくる。
“あっ!翔太くん。。。岩本さんと深澤さんも“
SnowManというグループ名らしい。
メンバーは6人。。。
翔太くんが出ていると言っていた舞台のことが
載っていた。
そこにはわたしの全く知らない翔太くんの姿
があった。煌びやかな衣装。キラキラした
表情。アクロバットにダンス。
どれも見たことのない翔太くん。
その姿はやっぱり“アイドル“そのものだ。
なんとも言えない感情でいっぱいになった。
「Aさん？」
後ろから声をかけられてビクッとなる
「翔太くん。起きて大丈夫？熱はどんな感じ？」
「夕方呑んだクスリが効いたのかも。さっき
よりぜんぜんラク。」
翔太くんのおでこに手を充てる。
「うーん。さっきよりは下がってそうだね。
おかゆがもう出来上がるから
寝室に持って行くから待ってて」
「分かった。起きたらAさんいないんだ
もん。帰ったかと思ったじゃん。。。」
「黙って帰らないよ(笑)大人しく待ってて。
すぐ行くから。ねっ？」
風邪でよっぽど心細いのか愛くるし過ぎる。
出来上がった玉子がゆを寝室まで運んで
ベッドテーブルに置いた。
「はい。どうぞ!熱いから気をつけて食べてね。
食べれそう？食欲ある？」
「うん。ありがとう!昼からなんも食べてない
からめっちゃ空いてる。。」
「んっ！それなら良かった。
食べれるだけたべて。」
「あのさっ、食べさせてよっ。ダメ？」
「えっ？翔太くん、風邪ひくとめちゃくちゃ
甘えん坊になるんだね(笑)しょーがないから
食べさせてあげる。今日だけだよ！」
あーんと言いながら口を開ける翔太くん。
“うーわっ。めっちゃ旨い“
そう言いながら
残さず食べてくれた
「俺、今日、風邪ひいて良かったわ。また
好きが止まらなくなるじゃん」
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作者名：せりか | 作成日時：2020年4月10日 21時
