危うい！反省して師弟 ページ18
守「さて……出久君。オールマイトにどうぞ」
校舎の影に移動してそう促せば、出久君は申し訳なさを顔全面に表して、バッと頭を下げた。
出「ッごめんなさいオールマイト！！かっちゃんに……個性の秘密、話しましたっ！！！」
オ「！！」
守「声が大きいです。場所変えた意味がなくなります」
出「ごっごめん…」
オ「………話したのか…！」
オールマイトは笑顔を崩さない。が、声には苦渋が滲み出ていた。
出久君はさらに頭を下げる。
出「すみません！！母にも言ってなかったのに、何でか……言わなきゃって。本当にすみません……！」
オ「……(誠実が裏目に出たか…)」
守「…勝己君は賢い人です。そう易く戯言と受けとるようには思えません。今日の訓練は、彼にとって簡単に忘れられるものじゃない。あの言葉も恐らく忘れてくれるとは思えません。………後々バレる確率は高いかと思われます」
二人揃って黙りこくる。
私は彼らの言動に少々ならざる危機感と……僅かな苛立ちを覚えた。
危うい人達だ。本当に。
オールマイトもだけど出久君も……周りを省みない。
………貴方達が危険にさらされれば、困るのは……貴方達だけじゃないのに。
守「……私は怒ってます。
出久君は自己犠牲が過ぎ、危機感がありません。片鱗とはいえ、個性の継承という事実そのものが秘匿。彼を危険に巻き込みかけたことに関しては許せません。
怪我の事もそうです。今回の訓練は確かに君の成長に繋がったかもしれませんが、それはあくまで経験値の話。リカバリーガールが一度で完治できない程の怪我が、今後貴方の体に支障をきたすかもしれないのに…
……もっと自分を大切にしてください」
出「……うん」
守「そして、オールマイト。貴方は出久君にお甘い。
入学前の訓練で私と出久君が倒れた時、貴方は私に、やり過ぎを止めるタイミング逃したと言いました。……貴方もそうではないですか」
オールマイトの顔から笑顔が失せた。
微かに奥歯を噛み締める音が聞こえた。
守「私はもう、入学前特訓の二の舞はしません。次同じようなことをすれば、訓練だろうと授業だろうと、止めますから」
出「い”ッ」
私は出久君の腕をおもむろに掴み、彼の怪我を拒絶する。
包帯をほどけば、無傷の腕。
守「今日はこのまま帰ってください」
とどめに、出久君にとってはさぞ酷な事を、私は作り笑いを浮かべて言い放った。
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咲き(プロフ) - ののいろ系女子さん» か、神作…！！？初めて言われました！すごく嬉しいです頑張ります！！ (2019年1月7日 15時) (
レス) id: 36a679870d (このIDを非表示/違反報告)
ののいろ系女子 - ヤバい、凄い面白い！神作！ありがとうございます！大好きです！これからも応援してます！ (2019年1月7日 13時) (レス) id: 8fb3eabd58 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：咲 | 作成日時：2018年10月15日 21時
