過去の記憶、まどろみの束縛 ページ21
私は13歳になって個性が発現した。
私の個性は【拒絶】。
私に触れるあらゆる現象を、無効化、反射できる。
願ったりな力だ。個性というものを知った時、私は光る自分の手を見てそう思った。
この力があれば、もう痛い思いも嫌な思いもせずに済むと
そう思ったんだ。
母『しゅみ！しゅみ鬼さん、こっちよ！』
父『おいで〜！お父さんの胸に飛び込んでこーい！』
守『お母さん、お父さん、まって！はやいよ、つかまえらんないよ！』
父『じゃあお父さんが捕まえてやる！がぉー！』
守『きゃー！まだタッチしてないのにお父さん鬼なの、いやー！！』
私と同じ色の目を持つ母と、私と同じ色の髪を持つ父。
幼い頃の記憶では、二人とも笑っていて、私を猫っ可愛がりだった。溺愛、という言葉が似合う程に、優しく甘かった。
父『高い高ぁぁぁああい！！』
守『まってまってまって！高すぎる！きゃーー！！』
母『ちょっとアナタ！しゅみが怖がってるでしょ！！』
父『痛！叩かなくっても良いじゃないか！しゅみちゃんはお父さん怖くないよね〜？』
守『おひげが痛くてこわいな』
母『剃っとけ！！』
母は正義感が強くて真っ直ぐな美人。いつもお父さんに突っ込んでた。
お父さんは何だか自分勝手。優しくて私にはデレデレで、でも人形のような扱いだった。
それでも私は二人とも大好きで、明るい家族の雰囲気がずっと続けば良いと思っていた。
そう、ずっと続くんだ。
それが私にとっての当たり前で、二人もそう思ってくれているものだと信じて疑わなかった。
父『お母さん、今日から病院だからね』
守『え……お父さん？』
父『これからはお父さんと二人だ』
唐突。まだいとけない子供だった私を襲った父の言葉は、まさに唐突だった。
お母さんがいなくなる。
家族三人が当たり前の私にとって、これ以上のない衝撃だった。
何より「これからは」と言った父の目が、歪に見えて、ひどく恐ろしかった。
人の笑顔を、それも父の笑顔を恐ろしく思ったのは、これが最初だった。
守『あのね、お母さん。お父さんね、家にいないのよ。しゅみちゃんをおいてどこかに行ってるのよ』
病院に見舞いに行ってそういえば、母は私と同じ青い目を細めて、寂しそうに笑った。
そうね、と返してくれる声からは、いつもの覇気が失せていた。
元気がない母を見たのは、これが初めて。
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咲き(プロフ) - アクトさん» トップにアップできました！イラストお待ちしています！ (2018年9月24日 16時) (
レス) id: 36a679870d (このIDを非表示/違反報告)
咲き(プロフ) - アクトさん» 良いですよー。ただ、私自身IMELOG使ったことないので、見方さえ教えてくだされば (2018年9月24日 9時) (レス) id: 36a679870d (このIDを非表示/違反報告)
アクト - すみません！IMELOGにあげようと思ってるんですがいいですか？ (2018年9月24日 0時) (レス) id: 4d94ffdfb5 (このIDを非表示/違反報告)
咲き(プロフ) - アクトさん» わかりました！できれば今日か明日に載せます。載せられるでしょうか…エラーが出るんですよね。原因不明…何か心当たりがあれば教えてくださると助かります(エラー出たらTwitterにでも揚げます) (2018年9月23日 18時) (レス) id: 36a679870d (このIDを非表示/違反報告)
アクト - イラスト載せてくれるとうれしいです！髪の毛がロングなのか短めなのかわからないので(。>д<) (2018年9月23日 18時) (レス) id: 4d94ffdfb5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：咲 | 作成日時：2018年9月11日 12時
