これからのあたしの居場所は…あの人の隣だ１２

最凶で最強 ページ9

セレンside






ガキン！


グシャァッ！！




べきゃ、ゴキンｯ、バシャーンッ！！









生々しい紅(いろ)が、黒くすすけた甲板を賑わせる。









久々の戦いに胸が高鳴った。




先日まで戦続きだったけれど、過日と違うのが、ダリューンの生き生きと剣を振るうさまを、隣で見れるという事。







お互い、一軍を率いる身だから、こんな背中合わせで戦う機会は、ペシャワール入城以来ほとんど無かったんだ。








戦続きなのに、楽しいと思ってしまうのは、しばらく忘れていた"平和"という感覚が、少し戻ってきたからだろうか。



……余興が楽しめる余裕ができたのは、良いことじゃないか。





だから、目の前で散る海賊共の事は放っておいてほしい←









ダ「……セレン、こら。何惚けている」


セ「貴方の剣さばきに見とれてた」


ダ「戦いの途中であまり余所見をしてはいかんぞ」


セ「戦いは戦いでも、戦じゃないよ」


ダ「戦だろうがなかろうが、気を抜くな。まったく、目が離せぬな」







あたしの脇を狙って迫ってきた海賊を、ダリューンは一撃で絶命させた。








ダ「ほら、死角の注意がおろそかだ」


セ「貴方もあまり言えないよ？」







ゴシュ！！




ダリューンの背後を狙っていた海賊の右肘に、あたしは剣先で風穴を開けた。







ダ「む…気付いていないとでも思ったか？」


セ「ううん？でも、戦いの最中でそうやって長く会話を続ける貴方も、ちょっと気が抜けてるんじゃない？」


ダ「お前程ではない」


セ「あら、否定はしないんだね。さっきからあたしの方ばかり見てるもんね、
"目が離せない"からって……ふふ」


ダ「………露出の多いお前が悪いのだ」


セ「この服を選んでくれたの、ダリューンだよね」


ダ「……」


セ「勝った」


ダ「何にだ」








一合か二合ずつ、剣を鳴らすごとに相手が負傷し、倒れていく。


無論、あたし達は無傷だ。








あたしが微妙な舌戦でダリューンに勝った時、甲高い笑声と、砕けるような音が耳に飛び込んできた。







リ「フッハハハハハァwwwこいつら弱いけど楽しいー♪((ｻﾞｼｭ ﾍﾞｷｬ))wwグラァゼェ後で酒おごりなー♪www((ｻﾞｼｭｻﾞｼｭ」


グ「おう♪それは良いが、酒の前にまず服がいるな！はァっ！！((ｻﾞｼｭｯ」←冷静を装っているけど戦いには乗り気









セ・ダ「「………」」←




パルス最凶夫婦誕生説が確立した。←お前らが言うか

ギーヴの気転→←助け舟

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