想いを紡ぐ ページ28
"あたしは救われたんだ！！"
"それがたとえ直接的な救済にならない、一見無力な行為だとしても……それでも救われるんだ！！"
セレンの言葉に、ダリューンは救われていた。
ダリューンの心が救われていた。
自分は、確かに彼女を救ったのだと。
それをようやく、実感できたのだ。
ダ「(良かった……本当に、良かった…)」
ダリューンは目尻を押さえた。
安心して、嬉しくて、涙が溢れてきそうだった。
グイッ
セレンが彼の腕を引いた。
驚いて彼女を見たダリューンは、セレンの眉が下がっているのに気付いた。
ダ「セレン？」
セ「ーーー…」
ダ「無理に声を出すな。…ほら、紙とインク」
セレンは筆を執り、手渡された紙に何やら書いて、それをおずおずとダリューンに見せた。
［勝手に、二つの町を変えるなんて事言って、ごめんなさい］
ダ「……謝ることではない。お前の意思だ。殿下もお許しになろう」
セ「……」
［貴方は、怒ってない？］
ダ「？何故怒る？俺はお前の事をより知ることができて、嬉しいと思っているが」
［眉間押さえてたから、怒ってると思った］
ダ「ああ……いや。怒っては、おらぬ」
ダリューンの顔に赤みがさした。
泣きそうなのを堪えていた、など言えようものか。
だが彼は誤魔化し方が下手で、また、それのせいで彼女の不安を煽ってしまっている事に気付いていた。
ダリューンは溜め息をつくと、セレンに顔を近付けて、
彼女の目尻に唇を落とした。
セ「…………ッ///」
ダ「………嬉し泣きとはいえ、男が涙を流すのは、格好悪いだろう？」
口を尖らせるダリューンは、セレンの首もとに顔を埋めた。
彼の、甘えたい、という合図である。
セレンの方も彼に甘えたかったので、彼女は抵抗なくダリューンを抱きしめた。
いつもの二人に戻り、二人とも、安堵した。
昔から、二人は不安になったり疲れたりしたら、決まって相手を欲するように抱き締める。
今回の抱擁もそれであり。
そしてもたらされる安心感は、いつもと同じように、彼等の傷んだ心を癒したのであった。
ダリューンは音をたてて、一時的に声が出せなくなった喉に口付けした。
ダ「……セラ、セレンの喉の治療はいつ終わる？」
セ［『後半刻あれば済む』］
ダ「そうか(半刻か…もっと紙がいるな)」
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サヤノ - 咲きさん» 咲きさん、こんにちは、お久しぶりです、近頃はコロナウイルスの影響で買い出し以外は外泊は控えてますが、咲きさんは変わりはありませんか? コロナ対策法では手洗い、うがい、消毒を済ませるようにして下さい、くれぐれも気をつけて下さいませ。 (2020年2月22日 11時) (
レス) id: dd5aa67050 (このIDを非表示/違反報告)
アル戦ファン - 最新のニュースですよ！アルスラーン戦記がミュージカルするんですよ。東京と大阪でしますから、私の場合、現地に行かないと行けませんね。その前にチケットを手に入れないと！ (2019年4月28日 20時) (レス) id: 2ddfe4a912 (このIDを非表示/違反報告)
咲き(プロフ) - サヤノさん» ありがとうございます。長らく更新していないにも関わらず、このようにコメントをいただけて幸せです (2019年2月5日 20時) (レス) id: 36a679870d (このIDを非表示/違反報告)
サヤノ - 咲きさん、お元気でしたか？ 私は毎日毎日読むのを楽しみながら元気しています…必ず応援してます！ (2019年2月4日 15時) (レス) id: 41b29e3ed5 (このIDを非表示/違反報告)
咲き(プロフ) - アル戦ファンさん» わかりました。この章はもうお話がいっぱいなので、次は続編から書きますね (2019年2月1日 23時) (レス) id: 36a679870d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：咲き | 作成日時：2017年3月11日 21時
