これからのあたしの居場所は…あの人の隣だ１２

作戦実行中 ページ18

カタン


シュタッ とんっ







ギ「どうだった？」


セ「ばっちりよ。さすがファランギース、あいつを完全に虜(とりこ)にしてた」


ギ「ファランギース殿の美貌もさることながら、俺の見立てた服装がグッときたんだろうな」


セ「いや、グラーゼ殿の目利きが良かったんだよ。絹の国の服って良いよね、露出少ないのに女らしさが上手く出るし」


ギ「胸の下に帯を締めるからな。ファランギース殿には及ばんが、着ればお前もそれなりに目立つと思「それ以上あたしの胸を見つめるな。目潰しされたくなかったら黙らっしゃい」……ダリューン卿、喜ぶと思うがなぁ」


セ「この件が済んだら、勿論グラーゼ殿に服着させてもらうよ。言われずともダリューンに見せるためにね。(…絶対、公主殿下より着こなしてみせるわ)」


ギ「その時は俺が見立ててやろう。ダリューン卿が鼻血噴くところが見たい(何か対抗意識に燃えてるな。恋敵の事でも考えてるのか)」←








絹の国の服を話題に盛り上がっている二人の頬を、穏やかに夜風が撫でた。



同時に、書庫特有の埃っぽい臭いが鼻をついた。









広い資料室を見渡して、セレンはフッと鼻で笑った。






セ「さて、見つかるかな」


ギ「大体検討はついているんだろう？」


セ「…何で分かった？」


ギ「お前の情報収集技術は、誰もが信用している」


セ「あら嬉しい。じゃ、さっさと信用に応えて、期待に応えなきゃね」


ギ「簡単に尻尾を掴ませてくれると良いがな」









二人に課せられた任務は、ペラギウスの持つ弱味の裏付けとなる証拠を確保すること。







そして、ローデガルドに関する情報を探ること。



二つ目はペラギウスを瓦解させてからでもできる事だが、調べられる時に調べてしまった方が後に楽なのだ。









ギーヴは片っ端からそれらしい書物を読みあさり、セレンは気になる箇所を順々に探り始める。





客観的に見れば金目の物目当ての泥棒だが、ファランギース達が頑張っている以上、遠慮は無用だった。









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セ「……思ったより、そう簡単に見つかってくれないね。そっちはどう？」


ギ「……」


セ「……………ギーヴ？」


ギ「！」








ハッとギーヴは彼女を見上げた。



彼は難しいというより、険しい顔をして書物を読み込んでいた。









セ「どうしたの？…見つかったの？ローデガルドの資料」


ギ「……」

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