召喚室⇔妖魔召喚 ページ10
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私が召喚薬を目的の場所で止まらせること1分。
急に魔法石が光りだす。
いや、魔法石というよりは魔法陣。魔法陣をかたどるようにまばゆい光が水面を照らす。
外から見ても内部がはっきり見て取れる透明だった水が一瞬にして濁る。
その瞬間、ふっと行き場のない魔力を感じる。そう、制御していたものがなくなった感じ。
「うわ」
国見くんが驚いた声を上げたと同時に決壊。水は重力に従って落ち、あらかじめ準備していたバケツの中へバシャバシャと落ちる。
それでもみんなの目線は水ではなく、岩ちゃん先輩が制御してる石の上。
「かわいい」
そこにはちょこんと座った手のひらサイズの生き物が、もぐもぐと何かを食べている。まあおそらく召喚薬だけど。
ただその愛らしい姿、仕草に3人は目が離せない。
「はじめて見た」
「私も。思っていたより小さいんだ」
「なんだ、お前たちは初めてか。それにしても成功してよかったな。」
初、半妖魔召喚。それはとてもかわいいウンディーネだった。
ゆっくりと岩ちゃん先輩が魔法石を机の上に下ろす。
するととてとてとて、と岩ちゃん先輩の元へ駆け寄るウンディーネ。足4本くらいに見えるから歩くのは早い。
そしてその次に向かったのが国見くんのところ。
興味のなさそうないつも通りの表情の国見くんだが、指でつんってしてる。そしてウンディーネが喜んでる。
そこでくるっとこっちを向いて、次は私のところかな、なんて身構えていると
睨むように、目を細めたかと思うと再び国見くんの方へ向いた。
あれ私嫌われてる？
「あー、気にすんなよ。ウンディーネは男好きらしいから。」
ウンディーネの耳には入らないよう小声で教えてくれる人岩ちゃん先輩。でも、なんかこう、寂しさを感じる。
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作者名：セラフィム | 作成日時：2019年7月15日 10時
