召喚室⇔妖魔召喚 ページ9
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そこから私たちは召喚室へ移動した。
防音室と同様の造りで、それに加え、温度、湿度等完璧に操作、維持できるようになっている。
先にはいくつか他のグループも来ているようだった。個別の部屋になっているからどのグループかは判別不可能だが。
部屋に入るとまず空調調整に入る。
厚みのある平べったくした魔法石に下書きの紙を当て、上からその線をなぞるように彫る。
紙を取ると、石には綺麗に魔法陣が彫られていた。
さすが岩ちゃん先輩。
そこに私がすりにすりまくったものを、彫られたところに詰める。
うん、分量完璧。
「こっちも準備できました。」
国見くんが担っていたのは水の調整。その温度設定もできたようだ。
魔法陣と水は半妖魔召喚にあたって共通。そして固有なのは私が擦り合わせたものとあとひとつ。
それは召喚薬、と言われるが実際は半妖魔への餌である。
もちろん、とても貴重なものではあるが今日配られた箱の中の、一際輝かしい瓶の中に目立つように入れてあった。
そして共通の水からさらに最後の調合として、先程までずっと保っていた温度のままここで真水と1:2になるようにした。
ここまでは誰でもできる。
そしてここからが正念場。魔法、それから時間との勝負である。
まず水を円筒形に変形する。それは魔力で覆い、水を円筒にするイメージが大事。
もちろん、円筒の容器があるわけではない。だからちょっとでも魔力制御が崩れると水がそこから流れ出して空中に飛び散る。
さらにそこの円筒形の中にあの重い魔法石を入れるのだが、これも至難の業。
今水を制御してるのは国見くんで、魔法石を制御しているのは岩ちゃん先輩。
毎年1年性は数人、魔力制御できない人がいるため、この役割を3年が両方するか、もしくは失敗することがあるらしい。
その点国見くんは汗ひとつかかず優秀である。
そして私はというとタイミングを見計らって召喚薬を投入するのだが。
なんかこの召喚薬、見覚えあるんだよね。
“____この召喚薬を使うと召喚出来るはずだけど、機関はそれを使うことを許してくれないんだ。とても貴重で不足してる上に、そんな確信がない召喚に使うくらいなら妖魔召喚に回したいって。ああ、同じ召喚薬で召喚できる妖魔がいるんだよ”
「何してるんだ？」
岩ちゃん先輩に言われてハッと我に帰る。いけない、目の前のことに集中しないと。
2人の魔力制御の邪魔をしないように、ゆっくりと水の中へ。
残り5分。
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作者名：セラフィム | 作成日時：2019年7月15日 10時
