大災厄の世界改変物語Ⅳ【HQ】 (ページ19)

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栽培園⇔争奪戦ページ19

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「っしゃおらぁ！ゲットだぜ！」

わたしの1人前に並んでいた人がガチャを引きおえ、叫びながら自分のグループへ戻っていった。

確か…そう、山本。

雰囲気は龍と似ているのだが、話しかけられたこともないし、かけたこともない。

まとう空気が怖いのもあるが、何よりわたしの自己紹介の時に睨んできたうちの1人。

まあそれはいいとして。

ガチャのスペースは他とはカーテンで仕切られた空間となっており、のれんのようにかき分けて中に入る。

ガチャについてはさっきの休憩時間に西谷と話せたから良かった。

確かこのコインを投入して、この取手みたいな部分を回そうとした時、

「質問です」

いきなり、ガチャがしゃべり始めた？

かと思いきや矢継ぎ早に話し始める。

「あなたにとって植物とはなんですか？」

ああ、なんだ、種に関することの質問ね。

あまり深く考えずに思いついたことを喋る。

さらさらと答えるとさらに似たような質問が。
どうりでガチャを回すのに時間がかかるわけだ。

その後続いた質問にもなんなく答えると、最後の質問とアナウンス。

「あなたにとって妖魔とはなんですか？」

妖魔とはなんですか。そのセリフが嫌に耳にこびりつく。さっきまでと音声にはなんの差異もないのに。

だけれど嘘厳禁の文字もあるし、おそらく防音。

山本の答えも聞こえなかったし。

「わたしにとって妖魔は…友達かな。」

まぶたを閉じて思い浮かべるのはある一つの生き物。

そうしてガチャをひねり、種を無事にゲットした。