洋室⇔ファッションサークル ページ44
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「もー、やっときてくれた！」
今日はファッションサークルに来たのだが、他のサークルを先に回っていたので、そのせいで舞が少し怒った様子で言ってくるのだがそれもまた可愛い。
「ごめんてば。ところで他には？舞だけ？」
「んー、清子先輩はたまに、かな？」
「私が無理言って入ってもらったから。他忙しかったら来れる時でいいよって」
舞に質問した答えは、洋室の入り口から聞こえてきた。
「あ、華ちゃん先輩！」
「やほ、舞。その子が例のAちゃん？」
「そーです！超かわいくないですか？」
そう言って私の両腕を後ろから持って前にどーん、とされる。
いやいや、恥ずかしいよ…
「私は三咲華。よろしくね」
「朱雀院Aです。よろしくお願いします」
清子先輩とはまた違う、凛とした雰囲気で、カッコいい
できる女、って感じだ
「あれ？やっちゃん？どこ？」
「…こここですぅ」
声の主を辿ると扉からチラリと金髪が。
あ、やっちゃんてもしや、谷地さん？
「おいでってばほら。なんも怖くないよ」
「ははははぃぃいい」
先輩に呼ばれ、こっちへくる谷地さん。前も私が教室で声かけた時もこんな感じだった
そんな谷地さんに舞が声をかける。
「そんなに華ちゃん先輩が怖かったのー？」
「いいいええ。そうじゃなくて…」
うんうん、と3人はじっとして次の言葉を待つ。
「きききんちょうして…その、綺麗な方とおおおお話すると極度に緊張がぁぁ」
ごめんなさい、という感じの谷地さんに対して私たちは思わず笑ってしまう。
なんて可愛い。同じ歳だけどこれはもう、妹の様な感じ
「まだしばらく1年教室だし、これからもよろしくね、やっちゃん」
どさくさに紛れてやっちゃん、と呼んでみる。
「しゃち！」
シャチ…？
「でね、ファッションサークルは自分たちで服を作ったりもしてるの。この時期はコンテスト用。」
「華ちゃん先輩の言う通り、コンテストがあるんだけど、モデルさんも必要なの！去年は私見つけられなくて自分でやったんだけど、今年はA、やっちゃんやってくれない？」
「えええ」
私とやっちゃんがはもる。というかそもそもまだ入るって決めてない…
「入らなくてもいいから！ね？お願い！」
「やっちゃんは入ってくれるし決定ね。残りはAちゃんなんだけど…」
ええ、華ちゃん先輩まで…こっちを見てる。
「それって規模は？」
「全国」
さらっと答える舞に呆然。
「ごめんなさい、事務所NGです！」
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作者名：セラフィム | 作成日時：2018年12月14日 21時
