大災厄の世界改変物語Ⅲ【HQ】 (ページ21)

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地下魔宮⇔1層ページ21

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「ここが地下魔宮…暗い。」

縁下が小さな声でボソリ。

入り口から階段を１つ降りて、青色の扉を開けた先。

小さい声でも声が響くくらい天井は低め。

一本道になっていて、曲がり道があるので先は全然見えない。

わ。

急に電球のような光が4メートル間隔くらいに上の方に灯った。

「さすがアッシー、状況判断早えーな」

赤葦がやってくれたみたい。ありがたい

「早く広いところに出ないと…」

その言葉を聞き終わる前に、突き当たりから急に現れたのは

狼。

狼が見えてから一番早かったのはにろ。

短剣をすばやく鞘から抜き、狼に向けて一直線に走り出す。

その距離、10メートルほど。

私もレイピアを構えようと、鞘から抜いた瞬間、

「ヴォーーーーーン」

狼が突然吠える。

吠えた衝撃が空気を伝わり私たち4人に響き渡る。

「えっ」

タイミングが悪くびっくりしたのか、縁下が杖を落としてしまう。

吠えた勢いのまま、幅が決して広くはない一本道を一直線になる駆け抜けてくる狼。

「やべっ」

そう発したにろは短剣だし、シールドも持っていなかったため、狼はその横をいとも簡単にすり抜ける。

次に狼に一番近くにいるのは私。

その距離4メートル。

たたずまいは初心者丸出しの私。

一番弱い私に目をつけたのだろう、目があった気がした。

だが引けない。

構える暇なく、襲いかかってきた狼に対して一応レイピアを向ける

あとほんの少しで狼の牙が私の頭に突き刺さる、というタイミングで

「バチィッ」

まるで見えない壁に弾かれたようにのけぞる狼。

ざまーみろ。