オーラの館⇔私のオーラ ページ19
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「失礼します。朱雀院です。」
機密事項な話をするには不釣り合いな紫色の薄い引き戸を通って挨拶する。
挨拶の相手は顔は見えるんだけれど…身体が見えない。
なんていうか、顔のところだけパネルが空いている。
そして机の上にはいかにもな雰囲気の出ている水晶玉。
「そこに手をかざしなさい。さすれば自ずと見えてくるでしょう。」
口元だけが動き、それ以降は静かになる。
説明これだけ？？
不思議に思うも、言われるがまま水晶に手をかざすと
「違う、もっと上に。陽にかざしなさい。」
上を見上げると、急に天井からは陽の光が差してきて、それがちょうど水晶に重なる位置である。
右ひじを伸ばし、精一杯上の方でかざす。
すると急に天井からの陽の光が消える。
「出ました。」
水晶を見ると…黒色。
沈黙が訪れる。
失敗した？黒色なんて…属性の色にはない。
もしかして新たな属性発見とか？？
「新たな属性ではない。」
きっぱりはっきりと告げられた。
「おそらく全属性が等しい。初めて見るから断定はできない。」
なんとも不確定なことを自信を持って言うのだろうか。
それにしても黒だなんて…
せめて無色透明とかの方が気持ち的にはいいのになぁ
「黒色から偏る可能性もある。また来なさい」
その一言で入り口のドアが開く。
もうおしまいか。
あーあ、日向じゃないけど落ち込むわこれは…
トボトボしながら外に出て、ドアを閉める直前に聞こえた言葉。
「1日で2つも…悪いことでも起こるのか」
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作者名：セラフィム | 作成日時：2018年12月14日 21時
