1年教室⇔魔法史 ページ28
・
自己紹介もそこそこに、1年の担任の武田先生は歴史の授業へと入っていった。
正直なところ、魔法史についてわざわざ授業を受けるほどのものなのか。甚だ疑問である
しかも、私のために1年のカリキュラムが変更されて、日本史、世界史を飛ばすだけでなく、急ピッチで魔法史だけをやるらしい。
本来ならば毎日色々な教科を勉強するのに。
一気に魔法史をやるなんて、迷惑をかけまくりだ。
「えー、ではですね、魔法史についてです。皆さんもご存知のところがたくさんあり、常識ではあると思いますが…」
武田先生が話しているが、先生の言う通り、常識であるからか、周りの生徒を見渡してもやる気にみなぎっている生徒は少ない。
けれど私のための授業のようなものだから私はしっかり板書でもとろうかな
そう考えてノートとボールペンを出す。
む。しまった。魔法史の教科書をもらっていない。みんな持っているのに。
「すみません、魔法史の教科書がないのですが」
授業を遮って申し訳ないが、先生に一言声をかけると、すみません、と謝り倒してから職員室に取りに言ってくれた
腰の低い先生である。
時間ができたので教室は私語まみれに。そう言ったところは学生というべきか。
「ねーねー！なんで自己紹介のとき敬語だったんすかー？」
肩をトントンとされ、後ろを振り返るとそこにはグレーがかった髪色で、目がぱっちりとした日本人離れした男の子。
そうか、もちろんみんなは私のことを2年生と聞いているはず、
「えーっとね、2年なんだけど、みんなと同い年なんだ。さっきのは緊張してたからで…敬語なしで喋ってくれると嬉しい」
ちゃんと目を見てにっこりと笑顔付きで話す。
なんたって赤葦に鍛えられたんですもの。
「なるほど！じゃあ遠慮なく！俺リエーフ！！」
求められた握手をぶんぶんと腕を振ってする。
私とリエーフの会話をみんなは聞き耳立てて聞いていたようで、納得モードの様子。
たしかに変だよね、2年が1年のクラスで授業を受けること自体。
これで壁はなくなっただろうか。
“ちゃんと仲良くなってくること。これがすずかの第一の目標だから”
赤葦に言われた言葉を反芻していると、武田先生が帰還。
「す、すみません。なかったので、今日は隣の人に見せてもらってください…」
汗をかき、申し訳なさそうな武田先生。そんなに謝らなくても…。イレギュラーなのは私なので。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 178人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
セラフィム(プロフ) - 甘味香涼さん» ありがたき幸せです(*´∀｀*) 私もそのうち、忙しくなって更新できなくなるかも…。出来るだけ話数ためて更新したいです。それは我が家恋しいですね…。前の悠々学園も、新しい悠々学園も私の中で生きてます！ (2018年5月20日 22時) (
レス) id: 86151c4ca6 (このIDを非表示/違反報告)
甘味香涼(プロフ) - セラフィムさん» ひっそりファンになっております|ω・*) うふふ、仕事……いま研修で家で出て、パソコン触れられないんですよね……。我が家に帰りたい。6月8日には帰れるので、その後体調良ければ修正の続きやりたいです。セラフィムさんは更新頻度高いので、読んでて嬉しいです。 (2018年5月20日 19時) (レス) id: 58cac626e0 (このIDを非表示/違反報告)
セラフィム(プロフ) - 甘味香涼さん» 甘味香涼さん！ありがとうございます（ ; ; ）まさか、あなた様からコメントをいただけるなんて…気付いた時思わず天を仰ぎました。あなた様の作品が1番楽しみです。お仕事大変でしょうが、続き楽しみにしてます！ (2018年5月20日 19時) (レス) id: 86151c4ca6 (このIDを非表示/違反報告)
甘味香涼(プロフ) - 続編おめでとうございますー！ 更新毎楽しく読ませていただいてます。理事長が何者なのか凄く気になります……続き楽しみにしてます！ (2018年5月20日 15時) (レス) id: 58cac626e0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：セラフィム | 作成日時：2018年5月20日 13時
