74.叫び ページ37
ﾌﾞﾝｯ
アレン「えーと…この辺なの？」
レノア「多分」
レック「んな曖昧な…」
私は、瞬間移動はつかえるけど…正直、正確じゃない。剣術とかはメリオダスが教えてくれるけど…魔術を教えてくれる人はいない。
アレン「あ！あそこに村がある」
レノア「行ってみましょう」
ﾀﾞｯ
そして、村の近くまで来て、走るのを緩めたとき…
ｶﾞｯ
誰かに引っ張られ、生垣のなかに入る。
レノア・アレン・レック「なっ…！」
？「しっ！」
？ ｺｿｯ「静かに…」
そこには、私たちと同い年くらいの少年少女が四人。
レノア 「何か？」
少年１ ｺｿｯ「お前ら、今すぐ引き返せ！」
少女１ ｺｿｯ「こんなこと言っても信じてもらえるか分からないけど…ここからは、吸血鬼の縄張りなの」
レノア・アレン・レック「吸血鬼…!!」
私たちは顔を見合わせる。
レノア「じゃあ、君たちはなんでここに？」
少女２「この村の大人は全員吸血鬼の下につかされて、子供を毎日一人生け贄として捧げてるの」
レノア「…酷い…」
少年２「オレたちは吸血鬼になる前に親が逃がしてくれたんだ」
また私たちは顔を見合わせ、頷き合う。
レノア「私はレノア、ダナフォール王国、聖騎士見習いよ」
アレン「同じく、僕はアレン」
レック「俺も同じく、俺はレックだ」
少年たち「聖騎士見習い…!!」
案の定、その子たちは驚いた。が、
少女１「聖騎士じゃないんだ…」
すぐにガッカリした顔になった。
アレン「本当は、ダナフォールでは一番強い聖騎士が来るはずだったんだけど…」
レノア「あいにく都合でこれなく…」
少年１「だったら別の聖騎士をよこせばいいだろ!?なんでよりによって俺らと同じくらいの子供なんだよ!!?」
一人の男の子が叫んだ。
レック「なんだと…!!」ｷﾞﾛｯ
レックも…
少女１「ちょっと！大きな声出しちゃダメ!!」
少年２「気づかれる！」
ｻﾞ…
何？…足音だわ…
ﾋﾞｭｯ
その瞬間、私たちがいたところのすぐ隣が切られた。
少年たち「うわぁぁ!!」
「キャアッ!!」
ﾊﾞｯ
私たちは構える。
少女２「あ…お…お父さん！」
女の子は走り出そうとしたが…
ﾊﾞｯ
レノア「ダメよ、下がりなさい。もう、あなたのお父上ではないわ…」
アレン「吸血鬼にされてる…どうする？」
レック「殺すわけにはいかねぇよな」
そう…本当の吸血鬼でないのならば…殺したくない。何より、その娘さんがいるのだから…
レノア「私がやるわ」ﾊﾞｯ
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作者名：シルネ | 作成日時：2017年9月10日 20時
