花と蝶の双子【栗花落カナヲ】

39話 ページ42

カナトはやっと顔を上げたかと思うと、妖艶に微笑む。


「大丈夫。カナヲだけは、絶対に守るから」


その右頬には、紫の蝶が浮かび上がっていた。

カナトは強く踏み込むと、童磨をめがけて跳ぶ。

「蝶の呼吸・伍ノ型、胡蝶の舞」

舞うように突きと斬撃を放つと、その度に紫の蝶が現れる。


「おお、蝶の呼吸、綺麗だね！じゃあ俺も！」

「血鬼術・枯園垂り」

「蝶の呼吸・肆ノ型、乱れ黒蝶」

「花の呼吸・弐の型、御影梅」


カナヲもすぐに加わり、お互いに技を出し合う中、童磨は二人の目が特殊であることに気づく。

二人の目を潰そうとすると、カナトは後ろに跳び、カナヲは体をのけぞらせて避けた。


「参ノ型、花天月地」

「陸ノ型、渦桃」

「凄い瞬発力と体幹だね！バネみたい」

「血鬼術・凍て曇」

「……！」


近づいたところで氷の粒を撒き散らされ、二人は空中へ逃げる。

危うく目を凍らされるところだった。

待て待て！と童磨はさらに追撃をする。

「血鬼術・蔓蓮華」

空中にいる二人を蔓状の氷が襲う。

何とか斬ったものの、体勢を崩して池に落ちた。

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