花と蝶の双子【栗花落カナヲ】

35話 ページ38

柱稽古が終わり、隊士達の実力と士気は大幅に上がっていた。

この調子で行けば、鬼との戦いを有利に進められるはずだと、希望が見え始めたところだった。


……それは、突然起こったのだ。

鬼舞辻無惨の産屋敷邸襲撃、そしてお館様の死。

柱達が駆けつける中、鬼殺隊は鬼の本拠地へと誘われる。


カナトとカナヲは、無限城の中を駆け回っていた。

皆はどこにいるのか。しのぶは………。

ふと、通路の奥に立派な扉が見えた。

二人は嫌な予感がして、急いで扉を開ける。

そこで二人が見たのは…………。


「！？」

「師範！」


鬼の男……上弦の弐・童磨に抱きしめられたしのぶの姿だった。

カナトとカナヲが来たことに気づき、しのぶは指で合図をする。

そして、その直後……童磨はしのぶを抱きしめる力を強め、全身の骨を折った。

しのぶの体から力が抜け、日輪刀が手から滑り落ちる。


「うああああ！！」

カナヲが童磨に斬りかかったが、避けられてしまった。


「危ない、危ない。吸収してる最中に斬りかからないでおくれよ」


童磨はしのぶを取り込み、挑発する。

しかし、カナトとカナヲは挑発に乗らず、必死に堪えていた。

……しのぶの努力を、無駄にするわけにはいかない。

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