桃色の桔梗 ページ7
これ以上話を聞いていたら、鬼殺隊にいられなくなる。
そう思い、しのぶは紫怨を攻撃しようとした。
「貴女は、この花のようですね」
「……!」
しかし突きを全て避けられ、気づくと桃色の桔梗の花を髪に挿されていた。
……それは、桔梗の花が咲き誇る野原から少し外れたこの場所に、一輪だけ咲いていたものだった。
どうしてこの花を、としのぶは考えた。
桃色ならカナエやカナヲの方が似合うと思うが、果たしてこの鬼は彼女達を知っているのか。
一輪だけ離れて咲いていたから、というのはあり得るが、それだけではない気がする。
何か、別の意味が………。
その時、どこからか琵琶の音が聞こえた。
「時間が来てしまいましたか……もうこの場所へ入らないでくださいね、二度目はありませんから」
「待って、まだ……」
「さようなら、しのぶ様」
もう一度琵琶の音がしたかと思うと、紫怨の姿は消えていた。
残されたのは、桃色の桔梗だけ。
しのぶは心に違和感を抱えながら、野原を後にした。
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木春菊(プロフ) - 猫丸さん» 感想ありがとうございます。楽しんで頂けたなら良かったです!他の小説も頑張っていきますね! (2020年8月17日 22時) (レス) id: 53ae1c88c5 (このIDを非表示/違反報告)
猫丸 - とても素晴らしい小説ですね!さらっと読めるのに内容は濃くてとても面白かったです!(なんか食レポみたい?)貴方様の他の小説も読ませて頂きます。他の小説も頑張ってください![長々と失礼しました] (2020年8月17日 18時) (レス) id: b42424beae (このIDを非表示/違反報告)
木春菊(プロフ) - pookyさん» コメントありがとうございます!掛け持ちしているので更新が遅くなりますが、頑張ります! (2020年8月6日 21時) (レス) id: 53ae1c88c5 (このIDを非表示/違反報告)
pooky - 面白そうですね!頑張ってくださいね! (2020年8月6日 19時) (レス) id: 012e567f90 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:木春菊 | 作成日時:2020年8月4日 23時