無限城にて ページ3
鬼達の本拠地、無限城。
その中心では、琵琶を持った鬼と長い白髪の鬼が話していた。
「鳴女様の琵琶は良い音が鳴りますね」
「いいえ、大したものではありません、紫怨様」
「そうかしら……でも、私はこの音が好きですよ」
「……ありがとうございます」
琵琶鬼……鳴女の表情は髪で隠れて見えないが、悪く思っていないのは確かだった。
白髪の鬼……紫怨は微笑みながら桔梗の髪飾りにそっと触れる。
……彼女はこの髪飾りをとても大切にしている。
例え鬼舞辻無惨でも、この髪飾りに触れることは許されない。
昔、彼女に好意を寄せていた鬼が髪飾りを取ろうとした時には、辺り一面血の海になったという話もあるほどだ。
二人が話をしていると、宗教じみた格好に虹色の瞳の鬼が現れた。
上弦の弐……童磨。それがこの鬼の名前だった。
「おや、紫怨様じゃないか！」
「こんばんは、童磨様。今日はどうしたのですか？」
「あの方に報告があってね。ところで紫怨様、この後……」
その時、童磨の言葉を遮るように琵琶の音が響いた。
同時に、童磨の姿が消える。
鳴女の血鬼術によって飛ばされてしまった童磨は、自分の部屋で不満そうに肘をついた。
紫怨はふと立ち上がると、鳴女様、と名前を呼ぶ。
鳴女は控えめに頷くと、琵琶を弾いた。
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木春菊(プロフ) - 猫丸さん» 感想ありがとうございます。楽しんで頂けたなら良かったです！他の小説も頑張っていきますね！ (2020年8月17日 22時) (
レス) id: 53ae1c88c5 (このIDを非表示/違反報告)
猫丸 - とても素晴らしい小説ですね！さらっと読めるのに内容は濃くてとても面白かったです！(なんか食レポみたい？)貴方様の他の小説も読ませて頂きます。他の小説も頑張ってください！[長々と失礼しました] (2020年8月17日 18時) (レス) id: b42424beae (このIDを非表示/違反報告)
木春菊(プロフ) - pookyさん» コメントありがとうございます！掛け持ちしているので更新が遅くなりますが、頑張ります！ (2020年8月6日 21時) (レス) id: 53ae1c88c5 (このIDを非表示/違反報告)
pooky - 面白そうですね！頑張ってくださいね！ (2020年8月6日 19時) (レス) id: 012e567f90 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：木春菊 | 作成日時：2020年8月4日 23時
