序章 ページ2
夜の闇に包まれた森の中、恐怖に顔を歪めながら死にもの狂いで走る青年がいた。
その背に書かれた「滅」の字は大量の血を浴びてほとんど見えない。
砕けてしまったために使い物にならず、投げ捨てられた刀の根元には「惡鬼滅殺」と刻まれている。
彼は、とある鬼と戦っていた鬼殺隊の隊士達の一人だった。
より詳しく説明するならば、「最後の一人」だ。
しかし、その肩書きもすぐに無くなるだろう。
……鬼の手が、彼の背後に迫っていた。
軽くなぎ払うその動きだけで、青年の頭部は消し飛ばされる。
とある鬼を倒すために派遣された隊士達は、これで全滅した。
その「とある鬼」は、手に付着した青年の血肉を振り落とすと、静かに微笑む。
……精鋭の剣士達を惨殺したとは思えないほど、美しく慈悲に満ちた微笑だった。
少し離れた場所からそれを見ていた男は、賞賛の拍手を送る。
彼もまた、人ならざる者……鬼だった。
「……素晴らしい力だ。そして美しい」
その言葉を肯定するでも、否定するでもなく、彼女は笑みを深くする。
琵琶の音が夜の森に響きわたり、二人の鬼は姿を消した。
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木春菊(プロフ) - 猫丸さん» 感想ありがとうございます。楽しんで頂けたなら良かったです！他の小説も頑張っていきますね！ (2020年8月17日 22時) (
レス) id: 53ae1c88c5 (このIDを非表示/違反報告)
猫丸 - とても素晴らしい小説ですね！さらっと読めるのに内容は濃くてとても面白かったです！(なんか食レポみたい？)貴方様の他の小説も読ませて頂きます。他の小説も頑張ってください！[長々と失礼しました] (2020年8月17日 18時) (レス) id: b42424beae (このIDを非表示/違反報告)
木春菊(プロフ) - pookyさん» コメントありがとうございます！掛け持ちしているので更新が遅くなりますが、頑張ります！ (2020年8月6日 21時) (レス) id: 53ae1c88c5 (このIDを非表示/違反報告)
pooky - 面白そうですね！頑張ってくださいね！ (2020年8月6日 19時) (レス) id: 012e567f90 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：木春菊 | 作成日時：2020年8月4日 23時
