Medicine or Poison (ページ10)

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"僕との血の繋がった子？"

ボクトノチノツナガッタコ？

頭の中でその言葉が繰り返される。

どうして、そんなことが言えるのか。

私には心当たりが全くない。

―――――むしろ、あるのは貴方の方じゃないか。

物凄く悔しくて、悲しくて。

憤りを感じて。

一筋の涙が私の頬を流れた。

耐えろ、私。

感情的になっても仕方ない。
理性を働かせるんだ。

明日になればきっと、離婚届にサインしてくれるから。

そしたらこんなに辛い思いをしなくていい。

1人で子供を育てて行くことは容易いことじゃないと思う。

だけど、今ほど苦しいことはこの先多分ないだろう。

『あぁ、それ。私が働いている薬局の近くの病院でさ、妊娠に関する勉強会があってうちの薬局からは私が派遣されたんだけどね、』

これが、嘘だとバレても構わない。

ただ、沈黙が怖いだけ。

『出席したら、母子手帳渡されて。

記入の練習をしましょうって。

だからそこに書いてあった数値とかは全部デタラメだし。

そもそも、私妊娠してないよ。安心して。』

なんて自分で嘘をついといて。
自分の嘘に苦しめられる。

『あ、それから―――――明日、オフなんだってね。例の書類の件、よろしくね。』

鏡越しに見えた彼は何かを考えてから、

「――――――分かった。」と返事をした。

彼の声はどこか腹を括ったようにも聞こえた。

私達はそれから家に帰り、眠りにつくまで一言も話さなかった。

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