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さて。
目の前で寝ている彼を起こそう。
そう、思ったのはいいけれど、
なんて呼べばいいか分からない。
……なんて呼ぼうか。
付き合っていた頃のある日、
――――ジニオッパより、ジンくんのほうが好き。
そう言われた。
その時から結婚して夫婦らしい生活を送っていた時までずっと、ジンくんだった。
でも今は、生憎そんな仲じゃない。
ぼーっと彼を眺めていると、彼が起き上がった。
頭が痛いのか、手を額に持っていくと
彼の、死んだ魚のように光を宿していない瞳が私を捕らえた。
まさか私がここに居るとは思わなかったのだろう。
途端に大きく見開かれた目。
『キムソクジン氏、義兄さn』
――義兄さんから連絡を貰って来たの。あなたと話し合いたいから、明日時間作ってもらえない?――
言おうとした言葉は
彼の唇によって遮られた。
――――――やはり、
彼の毒は私には少し刺激が強くて。
強烈な後味をのこす。
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作者名:ERI | 作成日時:2019年4月29日 22時