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予想通りヒョジュオンニの独擅場は続き。





着地点が全く見つからない話を永遠とするオンニに司会の方も"どう軌道修正しようか……"とアタフタしている。





「―――それで、ですね……あれ、何の話でしたっけ?」



途中で突然キョトン顔になるオンニ。




「記事の……」




司会の方がすかさずフォローに入るとすぐに思い出したのか




「……あ、そうだった。


とにかく、あの日は仕事に関して相談があって。


ただ相談したいことがあるって言っても、この人は来ないんです。


だから、仕方がないからアタシが旦那おすすめのホテルの高いディナーを奢るって事で呼び出しただけなんで―――やましいことなんてひとつも無いです。」




言いたいことが言えてスッキリしたのか、なかなか離さなかったマイクを下ろした。






有無を言わさないその物言いに記者の方からの質問は挙がらなくなった。









*****





会見が終わると至る所から


"お疲れ様でした"の声。





彼は会見に関わってくれた方々へ挨拶回りに行ったため、私はヒョジュオンニと控え室に戻ることに。





「……それにしても、久しぶりだよね!」



『そうですね……!

ケータイ電話が壊れてから連絡出来なくて……ごめんなさい。』



短期留学の後。

当時は、まだスマホが完全に普及してなくて。携帯電話の国際メールを使ってやり取りをしていた。

国際メールは少し料金が高くて頻繁には出来ず、1ヶ月に1度ほどの頻度だったけれど。

ある時、携帯電話を水没させてしまい、データが全て消えた。

以来、ご無沙汰だ。




「急に連絡来なくなって、寂しかったよー。ケータイ壊れてたからだったのね、なら許すけど――――Aちゃん、私のこと覚えてなかったでしょ?」








……ギクッ。








オンニの大きい目で軽く睨まれるだけでも迫力があって、私は蛇に睨まれた蛙のようになる。














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作者名:ERI | 作成日時:2019年4月29日 22時

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