Medicine or Poison (ページ41)

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「これより15分の休憩を挟みまして、質疑応答の時間にさせていただきます。」

司会者の方の声がする。

彼はだいぶ長い間、マイクを持ち続けていた。

5年前、入籍した時に私の為を思って結婚を伏せてくれていた事。

真剣に公表のタイミングを考えていてくれていた事。

armyの皆さんには昨日、先に結婚報告をしていた事。

これらを初めとした沢山の情報を筋道を立てて話すのは容易いことじゃないのに、彼は1人でやってのけた。

実はこの5年間。

疑問に思っていたことがあった。

知名度も人気もあるBTS。そのメンバーであるジンが妻帯者であることは一切記事やメディアに取り上げられなかったことが、不思議だった。

堂々と日本や韓国の役所などで手続きを踏み、マスコミの格好の餌だったはずだ。

取り上げられたかった訳では無いけれど、

彼が女優さんや可愛いアイドルの子とお茶をしている所やこの間の記事は取り上げられたのに、彼と一緒に暮らしている私が記事に出ないのか、純粋な疑問だった。

ずっと胸に何かがつかえているような、そんな感じ。

でも、そんな胸のつかえは先程の彼の話を聞いて綺麗に取れた。

彼はずっと私との記事が出ないように裏で手を回してくれていたのだと気付かされたから。

彼のそんな相手を思いやる、さり気ない優しさを好きになったのに。

結婚をしてそういった良い面を当たり前だと感じて甘えて。

彼の嫌なところばかり見た。

皮肉にも離婚寸前に連れてこられた"結婚会見"の場で気づくなんて、私はどれだけ馬鹿なのだろう。

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