Medicine or Poison (ページ39)

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JIN side ページ39

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裏口から出て、戸を閉める。

……相変わらず、コツのいる鍵だ。

久々で、てこずった。

道路の方に顔を向けると、ちょうどAが歩いてきた。

「車、回してくるから。戸締りしておいて。」

戸はさっき閉めたため、することも無く車を待つ。

やがて車がやってきて、裏口の傍に止まった。

乗り込むと、懐かしくてほっとするAの好きな洗剤の香りがほのかに香っていた。

静かな車内。

妊娠の事どうして教えてくれなかったのだろうか。

手帳を見た時から、ずっと引っかかっている。

教えてくれなかったのは"知らない男"と何か関係があるからではないのか―――そんな不安が襲う。

Aの口から真意を聞きたくて、僕が沈黙を破った。

『あの…………見たんだけど。』

ミラーを介して目が合う。
なんの事だかわからないと言った様子だ。

『……母子手帳。』

動揺したのか揺れる瞳。

その様子を見て、もしかしたらほんとに――――。

そう思えてしまった。

Aが離れていきそうで。

僕は不安で怖くて臆病だから、

『これほんとに――――――――僕との血の繋がった子？』

なんて言葉で傷をつける。

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