JIN side ページ31
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策を講じるためにも、まず現状を把握しなければ動けない。
そもそもどうしてAは、
いきなり"関係を清算したい"と言ったのか。
原因はこの間の喧嘩か。それともなにか他の―――
僕に心当たりがあるとしたら、ヒョジュと撮られたあの写真。
今日の夕方発売されたため、Aは記事を目にした可能性がある。
そもそも、写真に写っているヒョジュはヒョンの嫁だ。大迷惑な義理の姉だ。
義理の姉だということをAは知ら……ない。
知らなかったのだ。
ヒョンが結婚したのは僕がデビューして間もない頃だ。
当時Aはまだ日本の大学に通っていた頃でお互い忙しかった。
連絡できる時間も限られていた。
それでも確か……ヒョンが結婚した事は伝えてある。
ヒョンの結婚相手がどういう人物か、報告できる余裕もなく時だけが過ぎ、今に至る。
となれば、ヒョジュとの間を勘違いされているのだろうか。
それが理由なのだとしたら、何故Aは何故僕に関係を問い詰めないのか。
―――いや、ちょっと待て。
……あの二人は知り合いだ。
ヒョジュとは、Aが短期留学していた頃に知り合っているのだ。
それなりに仲が良さそうだったし、僕とヒョジュが恋愛関係なんかになるわけがないのを誰よりも理解している。
直ぐにその考えを頭の中から消す。
これじゃないとすれば、何だ。
まさかあの時の―――"知らない男"か。
数日前に感じた黒い感情が再び僕を蝕む。
絶対にアイツにAを渡すものか。
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作者名：ERI | 作成日時：2019年4月29日 22時
