Medicine or Poison (ページ2)

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2ー過去ーページ2

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出会わなければ良かった、なんて考えたこと無かった。

離婚を視野に入れるようになってからは初めて考えた。

もしもあの時――――――
ポスターを目にしていなかったら。

もしもあの時――――――
行き先が韓国じゃなかったら。

もしもあの時――――――
ソクジンが声をかけてくれなかったら。

今ごろお互い、幸せに暮らしているのだろうか

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＊10年ほど前＊

6年制の薬学部に入学してすぐ、

2単位貰えると書いてある短期留学のポスターが目に入った。

期間は、夏休みの3週間。

……勉強、難しいっていうしこれで2単位貰えるならラッキーじゃん！

この短期留学制度はうちの大学と学力レベルが同じくらいで、海外にある大学と連携して行っているものだ。

毎年、治安などを加味して行き先を決めているらしい。その年の行き先は韓国だった。

すぐに参加を決め、ガイダンスに出席した。

韓国に短期留学する、3ヶ月前位から韓国語の勉強を進め、実際に使いそうなものは飛行機の中でもチエックして。

ガイダンスで聞いていたとおり、

空港からは、各自自分で直接お世話になる大学に行きなさいとの指示があった。

大学に到着するまでは順調で。
学生寮もすぐにわかった。

一緒に行く子達より、私出来るかも？
なんて鼻を高くしていたのに。

ん？

ここ、どこだ？

てか、私ここさっきも通ったよね？

予め渡されていた資料の通りにキャンパス内を歩いても、お目当ての語学堂が見つからない。

誰かに声をかけようか――――そう思った時、

「もしかして、迷われていますか？」

と声をかけてくれた人。

……顔ちっさいなぁ。

それが彼―――ソクジンの第一印象だった。

『私は……語学堂です。』

迷われていますか？
という問いに対してはい、いいえも言わずに、
『語学堂です』とトンチンカンな答え。

勉強した単語は実践では一言も出てこなかった。

「……はははっ！」

堪えきれない、といった感じで笑いだした彼。

目を逸らすことが出来なかった。

彼に毒された。
直感でそう思った。

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