Medicine or Poison<過去編> (ページ11)

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…………実に異様な光景だ。

異様なのに、食堂を利用する学生さん達は全くと言っていいほど気にも留めていない。

食堂で働くおばちゃん2人を引き連れて歩くソクジンさん。

その手に持っているお盆にはメインメニューが2品とキムチやスープなどが乗っている。

後ろの食堂のおばちゃん達のお盆にも同様に沢山の料理。

「おばちゃん、いつもありがとね。

助かるよー！」

……いつもなんだ。

次々にテーブルの上に料理が並べられていく。

これは、一体何人前だろうか。

2.5人くらいかな……。

料理を運んでくれたおばちゃん達は

「沢山おたべ〜」と言うと去っていった。

『凄い量……食べ切れるのかな。』

思わず日本語が出てしまった。

「そう思うよね！大丈夫、化け物だから。」

何故か誇らしげに日本語でオンニにそう言われて、自分の冷麺を食べ進めながらこっそりソクジンさんの様子を見る。

そんなに沢山食べて大丈夫なのだろうかという程口に含んでは幸せそうな顔。

一つひとつの料理をとても美味しそうに余すところなく綺麗に平らげていく。

私が冷麺を食べ終わる頃には、ソクジンさんは既に2人前ほど食べていた。

……食べるの早いなぁ。

こんな量を食べているのに痩せているのが気になって、

『何かスポーツとかやられているのですか？』

と聞いてみると、

「実は……練習生なんだよね、僕。」

少し決まりが悪そうなソクジンさん。

"練習生"という言葉の意味が分からなかったけれど、これ以上踏み込んではいけない気がしてその後何も言えなかった。

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