貴方の素顔〈ボア・アルカセル〉 ページ5
「そんな…馬鹿な……」
ゴッドブレーダーズカップ決戦、蒼井バルトVSレッドアイ。
レッドアイが、スプリガンが勝つと思っていた。信じていた。なんせあの人はとんでもなく強いから。白鷺城ルイに正体を暴かれた時、一度は見損なったけど、この大会でやはりレッドアイは強いということが痛いほど実感した。
しかし。しかしだ。
レッドアイは負けた。蒼井バルトと、同時バーストを連続して15回という、デッドヒートしたバトルを繰り広げたが、あと一歩というところで負けてしまった。
だけどあの人は最後まで強かった。そんな姿を見られただけで、自分のためになったような気がした。
「バハムート…俺たちも、負けてられないな！」
俺はバハムートにそう話しかけた。昼下がりの太陽の光を受けて、俺の相棒はキラリと光った。
「ボア」
すっと目の前に影ができて、聞き慣れた声が降ってくる。
「レッドアイ…！」
レッドアイは右手を怪我したらしく、そこに包帯を巻いていた。そして、彼は見慣れた服ではなく、目は涼しげだった。
「レッドアイ！最終バトル、観てました。すごかったです」
俺は掛けていたベンチから腰を上げた。
「そうか…」
そう言ったレッドアイは、俺を見ているというわけではなく、かといって他の何かを見つめているようでもなかった。何を見ているんだろう。
そう思っていると、レッドアイがまた口を開いた。
「ボア、もう俺はレッドアイじゃない」
「え？」
レッドアイは、口角を上げて、今まで見た事のないほどの温かく、しかししっかりとしたで言った。
「紅シュウ。紅シュウだ」
そうか___この人は______
「くれない…しゅう……」
俺は一音一音噛みしめるように声にした。
レッドアイは、紅シュウになった。いや、正確には戻った。レッドアイには、いや、紅シュウには、信じてくれる仲間がいた。だから彼は戻れたのかもしれない。スネークピットでは、究極のブレーダーになることだけを求めて訓練を積んできた。それが間違っていたのだろうか。じゃあ、あそこにいた時間は、無駄だったのか？
「全部、無駄じゃない。辛かったことも、遠回りしたことも、全部今となっては貴重な経験だからな」
紅シュウは、俺の心の中を見透かしたように言った。その時、気づいた。さっきまで彼が見ていたものは、夢でなければ過去でもない。未来だった。
「____そうですね、僕もそう思います。また、闘いましょう！」
「ああ、いつかまた、新しいお互いでな」
短い影が二つ、平行に伸びた。
続く
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名無しになりたいフリー好き(プロフ) - 瀬央さん» 更新ありがとうございます！>ω< (2019年4月16日 23時) (
レス) id: 58278cc77e (このIDを非表示/違反報告)
瀬央(プロフ) - 名無しになりたいフリー好きさん» コメント感謝します！そうですよね、フリーの隠れた努力が彼の最大の魅力のひとつだと思っています！素敵なフリー、GTでも見たいですね！ (2019年4月16日 23時) (レス) id: c40734fe68 (このIDを非表示/違反報告)
名無しになりたいフリー好き(プロフ) - 瀬央さん» 長文失礼致しました。 (2019年4月9日 1時) (レス) id: 58278cc77e (このIDを非表示/違反報告)
名無しになりたいフリー好き(プロフ) - 瀬央さん» 「人並みの努力では、人並みの人間にしかなれない」フリーくんにぴったりの言葉ですね！「自分を越えたければ限界なんて作っちゃいけないんだ｡」(うろ覚え)フリーくんは尋常じゃないほどの努力をしているからこそ強いんですね…！ (2019年4月9日 1時) (レス) id: 58278cc77e (このIDを非表示/違反報告)
名無しになりたいフリー好き(プロフ) - 瀬央さん» フリーくん書いて下さり、ありがとうございますぅぅぅゥぅ！！！そして更新ありがとうございます！！！ そう！！影の努力を惜しまないのがフリーくん！！！孤高の天才ブレーダーにも努力アリって感じですね！！ほんとありがとうございます！！！！！！！ (2019年4月9日 1時) (レス) id: 58278cc77e (このIDを非表示/違反報告)
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