・ ページ7
｢・・・ん？ そういえば、さ。｣
｢ん？ なーに？｣
｢あ、いや・・・｣
｢？｣
抱きついているから、スコープくんの表情が分からない。
でも、何となく、気まずそうな感じが・・・
｢・・・呼び方、俺の。｣
｢スコープくん？｣
｢そう、それ。何で・・・｣
｢ふふっ。｣
なんて言うのかと思ったら、それか。
そういえば、そうか。
｢スコープくんって、何となくお兄ちゃんっぽい感じがするなーって思って。｣
｢・・・何だそりゃ。｣
◇
「────────っ！！」
悲鳴を上げた、と思う。
施設に来てから、よく見る夢。
それは、悪夢。
初めて人を殺した、あの日の。
「・・・あー、あーぁ、起きちゃった。」
おれは、一度起きてしまうとなかなか寝れない。
しかも、起きてしまう原因は悪夢だ。
無理矢理寝たとしても、また悪夢を見るんじゃないかという恐怖が付き纏う。
実際、無理矢理寝ても悪夢を見る率は高い。
だから最近は、寝るのを諦めてしまっている。
「・・・ちょっと、散歩してみようかな。」
仕事がある時以外、外はあまり出歩くな。
そうは言われているけれど、寝れないのに何も無い殺風景な部屋で朝を待つのも退屈だ。
それに、施設の周りを回るくらいなら、まだ許されるよね？
「・・・・・・よしっ、」
思い立ったらすぐ行動だ。
鍵は掛かってない。
この部屋からは、いつでも出られる。
かといって、ほんとに部屋から出る人なんて、きっとこの施設にはいない。
それくらい、ここの人達は命令に従順だった。
「・・・・・・？」
それなのに。
今日は、やけに外が騒がしい。
別に敵襲でも無いのに。
というより、誰かを探してる？
「おい、いたか？」
「いや・・・まったく何処行ったんだスコープのやつ・・・」
スコープ。
聞こえた名前は、たしかにそうだった。
(スコープくんも、部屋から抜け出した・・・？)
教官達が探してる理由は、単純なものだろう。
だってスコープくんは、ライフル銃の腕に関しては教官を凌ぐ程の実力者だ。
仕事だって確実にこなすし、手放すには惜しい人材。
そんなスコープくんが姿を消したなら、探すに決まってる。
(それにしても、どうして・・・)
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 112人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
NMダイキング担 - コメント遅くなりました。生まれ変わったこの作品を楽しみにしています！ (2019年12月28日 8時) (
レス) id: 238f9174c4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみ(プロフ) - 更新待ってます！納得のいく作品にしてください♪ (2019年12月12日 9時) (レス) id: bea5fb83fd (このIDを非表示/違反報告)
NMダイキング担 - ありがとうございます(≧∇≦)楽しみにしてます！無理のない範囲で頑張ってください♪ (2019年11月23日 15時) (レス) id: 238f9174c4 (このIDを非表示/違反報告)
紙代 冬華(プロフ) - NMダイキング担さん» ちまちま更新がすぎてすいません！なかなか文章の組み立てが上手くいかなくて…もいっこのWESTさんの小説がリクエストなうえ誕生日ネタなので、そっちを一気に書ききってからこっちに集中する事になると思います！ただ、内容は結構変わってるので、そこはお楽しみに！ (2019年11月16日 22時) (レス) id: a0dd328695 (このIDを非表示/違反報告)
NMダイキング担 - 更新ありがとうございます。めっっちゃ嬉しいです！！これからどのようになっていくのか楽しみです(*^^*) (2019年11月16日 22時) (レス) id: 238f9174c4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
