≪02≫殺せんせーションズ 外せないLock

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「ファルコンは、もう大丈夫なの？」

「肩にはまだちょっと違和感あるけどねー。」


ラピの部屋に向かう途中。
ファルコンと出くわした。

治療前はあんなに痛々しかった傷も、僅かな痕を残すのみになっている。


「ほんと、回復早いよね。」

「オレ、昔っから自然治癒力高いからさ！」

「流石に早すぎじゃないかな・・・」


いつも通りのファルコンに、オレは苦笑い。
だけど、同時に少しホッとする。

家に戻る時。
取り乱すコマンダーに話し掛けていたファルコンの声は、すごく弱々しかったから。

だから、オレは逆に冷静になれたのかもしれない。
そして、今にも抱きつきそうな勢いのコマンダーを止められた。

アレを許していたら、ファルコンの怪我はもっと長引いていた。
・・・かもしれない。


「・・・ねぇ、SHINOBIは大丈夫？」

「えっ、何故(なにゆえ)？」


その質問は、あまりにも突然だった。

質問の意図がよく分からない。
何故(なにゆえ)ファルコンは、そんな事を言うんだろう？


「コマンダーとは違うけど、SHINOBIもずっと気を張ってるでしょ？」

「っ、」


そう、なのかな？


「そうは思わないけど・・・」


オレは冷静だった。
だから迅速に対応出来たし、仕事も完遂出来た。

なのに、どうして・・・


「あのね、気付いてないかもしれないけど・・・あの日から、もう５日も経ってるんだよ？」

「えっと・・・だから、それがなんだっていうの？」

「・・・・・・・・・、」


ただの疑問だったのに、ファルコンは深い溜め息をつく。
そして、オレの目を真っ直ぐ見つめて、ゆっくりと言い放った。


「この５日間、SHINOBIは一睡もしてないでしょ？」

「っ？！」


そう、だっけ？
そう、だった。

言われてみればそうだ。
オレはみんなの為に何が出来るかって考えて。
そしてみんなを励ましたり、どんな事でも率先して手伝った。

自分の体調なんて、二の次にして。


「SHINOBIはこの５日、誰よりも動いてくれた。それはありがたい事だったけど、それで今度はSHINOBIが倒れちゃったら、元も子もないんだよ？」

「あ・・・・・・」


そうだ。
たしかにそうだ。

なのに、何でオレは気付かなかった？


「おっ、と・・・」


ぐらりと揺れた身体を、ファルコンが支えてくれる。

ファルコンの言葉で、オレもようやく肩の荷が下りたのかもしれない。


「ありがとうSHINOBI。しばらくは、ゆっくり休んでね。」

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