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◆
しばらくカチャカチャやっていると、乱暴なノックの音。
「はーい。」
いつもの事なので、振り向かずに返事をする。
するとドアが開く音がして、次いで何かが置かれる音。
そしてまた、ドアが閉まる音がした。
「会話する気ゼロだね、まったく。」
まぁ、おれも会話する気ゼロなんだけど。
だからこの方法が、お互いの一番ラクな方法。
「今日も雑だなぁ・・・」
床に置かれたお盆。
その上に乗せられた、いつもと変わらない朝ごはん。
米だけは毎食絶対入れてね、と言ったからパンはない。
米と、米に合う最低限バランスの良いおかず。
「・・・流石に、毎日これじゃ飽きるな。」
変わらないメニュー。
変わらない味。
おれは、ここの最重要人物だ。
だけどそれは、仕事の手腕を評価しているから。
だから、おれ自身を見てくれる人なんていないワケで。
それが悲しくない、と言えばウソになるんだけど。
そんな扱いを受け続けて、もう何年も経ってしまった。
嫌でも慣れる。
・・・いや、慣れなきゃいけなかった。
「・・・今日のご飯はしょっぱいな。」
黙々と、ご飯を消費していく。
きっとおれは、この場所から逃れられない。
このまま孤独に、死んでいくんだろうなぁ。
◆
「・・・・・・終わったぁ。」
足を投げ出し、腕を伸ばす。
1日のノルマはとてつもなく多い。
きっと他にも何人か、おれみたいな仕事をしてる人はいるんだろうけど。
それでもやっぱり、おれの仕事が相当多いという自覚はある。
「今日も夜になっちゃったな。」
窓の外を見ると、太陽の代わりに月が見えた。
集中力はすごいから、一応仕事は次々に消化出来る。
だけどそのせいで、加減というか限度を知らない。
そのせいで、何度か倒れた事もある。
だけど、それを気にするおれではないし、周りも何とも思ってない。
所詮おれら裏方は、使い捨ての道具。
使えなくなったら、捨てられるだけだ。
受け入れてるし、それでいいと思ってる。
だけど、おれも意外としぶといらしい。
何度か倒れたものの、別に重大な病気に罹ったとかはない。
ただ過労で倒れちゃっただけ。
「おれがもうちょい強ければなぁ・・・」
身体を動かすワケではないけれど、頭脳労働も立派な体力仕事なワケで。
フィジカルが強くないと、仕事は続かない。
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紙代 冬華(プロフ) - NMダイキング担さん» ケータイ買い換えが修正の直接のキッカケにではありますが、旧版は“暗殺者”にしては警戒心が薄いなーと書きながら思ってて。結果的にリマスター版の方がいいかな?って自分でも思います。旧&リマスター版、どちらもお楽しみ下さい。いつもありがとうございます! (2019年9月15日 15時) (レス) id: 4aaf22ed61 (このIDを非表示/違反報告)
NMダイキング担 - もちろん、修正前のシリーズも好きですよ(*^^*) (2019年9月15日 15時) (レス) id: 238f9174c4 (このIDを非表示/違反報告)
NMダイキング担 - はい!楽しませていただきます!!こっちの方が暗殺者という感じがしていいですね♪ (2019年9月15日 15時) (レス) id: 238f9174c4 (このIDを非表示/違反報告)
紙代 冬華(プロフ) - NMダイキング担さん» 修正(改正?)する上で、もっとちゃんとしたキャラクター作りを、と思いまして。こういう運びとなりました。前より信頼関係を築くまでの時間が掛かる、ゆっくりスローペースのリマスター版を、どうぞお楽しみ下さい! (2019年9月13日 16時) (レス) id: 4aaf22ed61 (このIDを非表示/違反報告)
NMダイキング担 - みんなの呼び方が変わっていたりして、続きが楽しみです。 (2019年9月13日 16時) (レス) id: 238f9174c4 (このIDを非表示/違反報告)
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