出会い ページ3
元男子校に入学してから3日。
なんだか学校中の噂になっている気がします。
「あれかわいくね?女子みてぇ」
「なんか話しかけにくいよな、男臭さなさすぎて」
男子だとは思われてるみたいでよかった…。
そのまま、話しかけないでいいですからね…!?
ピコン♪
鞄の中で携帯が鳴り、慌てて取り出して画面を見る。
メッセージを送ってきたのはお兄ちゃんだった。
【ごめん迎え行けねぇ友達にカラオケまで連行されたむりやり】
『毎日来るって言ったのに…』
お兄ちゃんを待っている間に、校内に生徒はいなくなっていた。
これならひとりでも帰れる。
『…………これも、もういいかな…』
ウィッグと眼鏡を外し、鞄の中に入れる。
なんだか開放感があって、清々しかった。
『………帰ろう…』
教室をでて玄関へ向かう。
誰もいないからか、なんだか気楽で足取りも軽かった。
校内が騒がしい間は緊張して視界にも入らなかったものがたくさんあることに気がつく。
『…っわ』
よそ見しながら歩いていたせいで、階段に気が付かなかったようだ。
え、これはっ…落ちる…!!
トスッ
『っ、…?』
なにかに包まれた感覚と、痛くない不思議。
恐怖でつむっていた目をゆっくりと開ける。
「…っぶなー…大丈夫?」
わたしの顔を覗き込んでくる、金髪の揺れる男の人。
『……………………………』
「……………………………え、女子?」
『……………………………え』
わたし浦田莉月、ただいま高校生活に絶望を感じました。
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柊乃(プロフ) - 朝霞さん» ありがとうございます!! (2019年7月4日 19時) (レス) id: a006b98e61 (このIDを非表示/違反報告)
朝霞(プロフ) - コメント失礼します。とっても面白いです!前書きからセンラさんがスパダリしてて、惚れ込んでしまいました。更新、楽しみにしてますね! (2019年7月3日 23時) (レス) id: 4b1c679789 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柊乃 | 作成日時:2019年6月30日 13時