8話 ページ10
.
ここは危険すぎる。
あちらこちらに目を行き渡らせてるかのように、すぐさま金棒が吹っ飛んでくる。
危ないったらありゃしないね。
現にその飛んできた金棒の勢いでコビーくんが造った船が粉砕されてしまった。
自分の船にいい航海士が居ないからといって、私なりには海賊になりたいとも思わない一般市民を人質にして海賊をやって何が楽しいんだか。
こんな小さな子に頼ることしかできないの。
そう思うと哀れでしょうがない。
終いには造った船を粉砕…どこまでも性根が腐ってる。
「そいつかい、お前の雇った賞金稼ぎってのは…ロロノア・ゾロじゃなさそうだねぇ。最期に聞いてやろうか。この海で一番美しいものは何だい…？コビー！！」
ロロノア・ゾロ…。誰だろう。
賞金稼ぎっていってたし、海賊に名前が行き渡ってるってことは有名なのかな。
「誰だこのイカついおばさん」
ロロノア…ロロノア…と、頭を巡らせていると、ルフィのまたまたアホな発言が聞こえてしまい頭を抱えそうになる。
初対面で、その言い方はないでしょ。
確かにイカつくておばさんだけども。
「ルフィさん！！訂正して下さい！！この方はこの海で一番…」
コビーくんが必死にさっきの言葉を訂正させようとぐらんぐらんとルフィの首を引っ掴んで揺らす。
されるがままになっているルフィが少しだけ面白かった。
「一番…一番イカついクソばばあですっ！！！！」
途端、とんでもないコビーくんの発言が聞こえ思わず声に出して笑いそうになるところを必死に堪えた。
ダメだ、笑う場面じゃない。ダメだ。
「あっはっはっはっはっは！！」
隣で腹抱えて笑っている麦わら帽子の男を本気でどつきたくなった。
でも、正直気分は爽快。
「よく言った、下がってなコビー！！」
「ル、ルフィさん！！」
『コビーくん！こっちへ！』
「！？」
私はルフィが後ろへとやったコビーくんに手招きして、やることはないと思うけれど、コビーくんを背に隠し、守りの態勢に入った。
「同じことさ！！お前ら全員生かしちゃおかないよ！！！」
そういってアルビダが振り下ろした金棒はルフィに直撃するけれど、当の本人はニヤリと笑う。
打撃はルフィには効かないよ。
「効かないねえっ！ゴムだから」
そういったと同時に、ルフィは戦闘態勢に入る。
「ゴムゴムの…銃…！！！」
ルフィの伸びた腕を見て、周囲は化け物だなんだといっていたけれど、私はそれが内心おかしくてしょうがなかった。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 9人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：瀬成 | 作成日時：2024年1月5日 13時
