7話 ページ9
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にしても、コビーくん…そんな無理無理言ってると…
「痛いっ！！！ど、どうして殴るんですか！！」
「なんとなくだ！！」
ぽかっという音と共にコビーくんは頭を抑え込む。
ルフィはそういう意気地無しというか…苦手だから。
うぅ…と涙目になっているコビーくんに哀れみの目を向けつつ、ごめんねとルフィの代わりに胸の中で謝った。
「俺は死んでもいいんだ！」
「え？」
「俺がなるって決めたんだから、その為に戦って死ぬんなら別にいい」
ルフィのその言葉には強い意志が込められていた。
だけど…
『なるべくだめだからね』
「ははっ、わかってる」
被っていた麦わら帽子を見つめるルフィの服を少しだけ引っ張ってそういうと、ルフィは軽く笑い「俺は、死なねーよ」そういった。
「それに俺はやれそうな気がするんだけどなー。やっぱ難しいのかなー」
その能天気さに若干呆れつつ、何やらぼそりと呟くコビーくんの方へ意識を向けた。
「僕にも………やれるでしょうか………！！し…死ぬ気なら…」
「ん？何が？」
何やらさっきとは違うコビーくんの雰囲気に、少しだけルフィの背中から身を乗り出した。
声に、言葉に熱がこもっている気がする。
「僕でも…海軍に入れるでしょうか…！！！」
「海軍？」
あぁ、正体はこれだったのか。
「ルフィさんたちとは敵ですけど！！海軍に入って、偉くなって悪いやつを取り締まるのが僕の夢なんです！！！小さい頃からの！！！やれるでしょうか！！？」
海賊船に乗っているのに、コビーくんからは悪い感じがしなかった。
それどころか、すこし懐かしい感じがした。
それが、�牾し貝瓩海譴世辰燭鵑澄�
背中に大きく書かれた「正義」という文字。
久しく見ていないなぁ…。
元気にしてるかな、
おじいちゃん。
｢いえ！！！やりますよ！！！」
さっきとは打って変わって、真っ直ぐとした瞳で前を見据えているコビーくんに少しだけ笑みがこぼれる。
「どうせこのまま雑用で一生を終えるくらいなら！！海軍に入る為、命を懸けてここから逃げ出すんです！！そしてアルビダ様…アルビダだって捕まえてやるんです！！」
「誰を捕まえるって！！？コビー！！」
はぁはぁ…と息継ぎなしにコビーくんが言い切ったと同時に、再び勢いよく金棒が吹っ飛んでくる。
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作者名：瀬成 | 作成日時：2024年1月5日 13時
