6話 ページ8
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すると、一瞬目がバチッと合ってしまう。
けれど私は直ぐにふいっと逸らし、他の場所へ目を移した。
この少しの間だけでコビーくんはいい子だってことは、もう気づいている。
人間が皆ああいう奴ばかりじゃないってことはルフィの近くで過ごすようになって、もうこれでもかというくらいわかっている。
だけど、怖いから。
怖いから、自分を守るために身を隠し、殻を被る。
もう要らないっていわれるのは嫌だから。
「でも…その通りです…僕にも、樽で海を漂流するくらいの度胸があれば…」
別に私達は樽で海を漂流しようとしていたわけじゃないんだけどね。
船にちゃんと乗ってたんだよ？ただ気づいたら渦に巻き込まれて、樽の中みたいな。
決して樽で航海始めたわけではありません。
何がどう違うんだ、なんてツッコミが入りそうな考えを巡らせていたとき、コビーくんの「ルフィさんはそこまでして海に出て何をするんですか？」の言葉に、逸らしていた視線を再び前へ向けた。
「俺はさ、海賊王になるんだ！！！」
そう、ルフィは海賊王になる。
そう誓った。随分と昔に。
その為に海へ出て、仲間を集める。
難しいことだけど、ルフィならきっとやってのける。
私はそう信じている。
ルフィだから。
「え…か！か！！海賊王っていうのはこの世の全てを手に入れた者の称号ですよ！？つまり富と名声と力の�爐劼箸弔覆�の大秘宝�瓠弔△痢屮錺鵐圈璽后廚鯡椹悗垢辰討海箸任垢茵�？」
確かに、コビーくんのいっているように簡単なことではない。
どちらかといえば難しい。
いや、どちらかといわなくても海賊王を目指すといえば恐らく「からかってんのか？」なんていわれるだろう。
それほどに、簡単なことではない。
「死にますよ！？世界中の海賊がその宝を狙ってるんです」
「俺も狙う」
それに対してコビーくんはもうそれが癖なのか、自分が目指したものを今までずっと否定されてきたのか、叶うものは何も無いというかのように「ムリムリムリ」と再び叫んでいた。
だけど、それが不思議でならなかった。
どうして、ムリだと最初から決めつけるのだろう。
だって、世界中の海賊がその宝を狙っているんでしょう？
ならば、これから海賊になる私達にだってそれを狙いたいと、狙おうとするのはのはおかしくないでしょう。
他の海賊が狙うなら、私達にだってチャンスはある。
やって見なきゃわかんないことだってあるんだよ。
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作者名：瀬成 | 作成日時：2024年1月5日 13時
