3話 ページ5
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そんな言い合いを繰り広げていると、ふと目の前にいる知らない人物が目に入る。
その途端、さっきまでの楽しかった気持ちが一瞬にして私の中から消え去り、サッとルフィの後ろへ身を隠す。
そんな私の行動を見たルフィは軽く私の頭をぽん、と撫で短く「誰だお前ら」と声を発した。
その言葉に間髪入れず、「てめぇが誰だ！！！」と叫ぶ謎の人物達。
正直わからなくもない。
確かに、突然現れたのは恐らく、私達だから。
と、そんなことを考えているとき突然空から大きな金棒が勢いよく吹っ飛んでくる。
それと同時に私達が居た場所は金棒によって破壊され、その場にいた私達は吹っ飛んでしまう。
危うく、ルフィと離れそうになったところをルフィはパシッと私の腕を掴み抱き上げた。
『ありがとう』
酒樽に身体がおさまったままのルフィは私を抱き抱えたまま流れに身を任せて、そのまま吹っ飛んで行った。
随分と飛ばされ、漸く地上へ足がつく。
かなりの間足が浮いていたから、なんだか地上へ降り立つのが変な感じ。
飛ばされてから一度も手を離さなかったルフィ。
それどころかあちらこちらに障害物があったのに、それが私に当たらないように庇ってくれていた。
鈍感男のくせにそういうのだけはしっかりしている。
私はもう一度『ありがとう』と伝えた。
それに対してルフィはただ笑うだけだったけど。
「あの…」
そんなやり取りをしているなか、突如聞こえた声に勢いよく飛び上がった私は、再びルフィの後ろへと身を潜めた。
これはもう？癖みたいなもの。
「大丈夫ですか？怪我は？随分吹き飛ばされちゃいましたけど…」
話しかけてきたのは、先程見かけたガラの悪い3人の近くにいた、なよっとした男の子だった。
「はははは！ああ大丈夫。なんかびっくりしたけどな。俺はルフィ、ここはどこだ？」
吹き飛ばされちゃったことに対して、笑って大丈夫だっていえるのは多分君くらいだと思うよ、と内心思いつつ男の子の言葉に耳を傾けた。
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作者名：瀬成 | 作成日時：2024年1月5日 13時
