36話 ページ38
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『はーもうほんと、なんでわざわざ殴ったりするのよ！』
リカちゃんの家からでた私達は船が止めてある場所まで来ていた。
そこで始まる私からルフィへのお説教大会。
『確かにそうすれば私達は悪者。殴られるコビーくんは仲間じゃないって認識させるには手っ取り早いわよ？だけど！！やりすぎ！！限度を知りなさい！』
「す、すんません…」
『もう…』
すんませんですんだら海軍はいらないのよ！もう！
一人ぷんぷんしながら船へ荷物を下ろす。
せめて最後にコビーくんの手当したかったなあ…。
「にしても、たいした猿芝居だったな。あれじゃバレてもおかしくねェぞ」
確かに、もしかしたら海軍はわかってて私たちを追い出したのかもしれない。
まあ、止めたのは本当に危ないと思ったからだろうけど。
「あとはコビーが何とかするさ、絶対！」
『絶対的信頼を置いているのか、それとも他人事なのか…わからないわ』
本人は笑っているけれど、本当にわからないわよ。
「何にしても、いい船出だ。みんなに嫌われてちゃあと引かなくて海賊らしい」
「だははは、そうだな！」
『海賊にはあんだけなりたくないっていっていたのに、海賊らしいこというものですね』
「ははは」
はははって…。
もう都合いいんだか、馴染むのがはやいのか。
にしてもはやすぎよ。
未だ笑っているロロノア・ゾロの横顔を盗み見しては小さく溜息を吐いた。
だけど、まあ楽しいのは間違いなかった。
そんなことをいいあってるとき、ふと遠くから人の声が聞こえた。
短い時間しか聞いてないけれど、よく聞き慣れた声。
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作者名：瀬成 | 作成日時：2024年1月5日 13時
