29話 ページ31
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「ゴムゴムの…鞭！！！！」
攻撃を仕掛けてこようとした海軍を一瞬にして叩き潰す。
「てめェは一体…！！」
「俺は、ゴム人間だ！！」
そう、ルフィはゴム人間。
要するに悪魔の実を食べた能力者。
私は能力者ではないけれど、ルフィはそれが強み。
欠点はあるけれど、それよりもなによりも強い。
ルフィの力を見た海軍たちは弱音を吐き、後退りをする。
そりゃあ、普通の人間と能力者での戦いなんて怖いに決まってる。
それが普通の人間が思うこと。
「大佐命令だ。今…弱音を吐いた奴ァ…頭撃って自害しろ。この俺の部下に弱卒は要らん！！命令だ！！！」
だけど、こいつは普通じゃない。
怖い…そう思うことの何が悪い。何がおかしい。
直ぐに死刑、自害。
そんなことをいうやつの方がよっぽどおかしいわ。
海兵たちはいわれた通り、頭にピストルをあて、自害しようとする。
こんな光景、有り得ない。
大佐は部下を守るもんじゃないの。
上の者は下の者を守るもんでしょうが。
「どうかしてるぜ、この軍隊は…！！」
ロロノア・ゾロのその言葉に大きく頷く。
ルフィが海兵たちの姿を見、走り出したと同時に私は先程砕いた岩を数個拾って海兵の元へぶん投げる。
勢いよく投げたそれは、海兵たちの手元からピストルを吹き飛ばし、なんとか自害させることを防ぐことができた。
『間違ってますよ。死ねといわれて本気で死ぬ阿呆がありますか。もう少し御自分の命を大切に扱ってください』
「っ！！」
自分の上司に死ねといわれて死ぬために海兵に入ったわけじゃないでしょうに。
もう少し自分のやるべきことをやり遂げてから死んでほしいわ。
まったく。
海兵達は暫く目を見開いたまま放心状態だった。
それをずっと眺めているのもなんだから、私はすぐにルフィの方へと視線をうつした。
「俺は海軍の敵だぞ。死刑にしてみろ！！！」
「ルフィさん！！こんな海軍潰しちゃえェ！！！」
コビーくん…。気絶から復活したようでよかった。
ほっと胸をなでおろした。
先程の自害発言をルフィが黙って見過ごすわけもなく、モーガンと戦っていた。
ルフィは敵味方関係なく、間違っている、と思ったらすぐに行動する…そんな人だから。
海軍だろうがなんだろうが、罪もなく死にそうな人を放っておけるはずがない。
「身分も低い称号もねェやつらは…！！この俺に逆らう権利すらないことを覚えておけ。俺は海軍大佐、斧手のモーガンだ！！！」
「俺はルフィ！よろしくっ」
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作者名：瀬成 | 作成日時：2024年1月5日 13時
