28話 ページ30
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ロロノア・ゾロが仲間になると、そういったことに対して喜んでるルフィ。
だけど、喜んでるところ悪いんですけど、そんな悠長なことやってる場合じゃない気がする…。
『ルフィ、結構やばい』
「くっそー、かてェなァこの結びめ…」
「おい！！グズグズするな！！」
焦るロロノア・ゾロにもお構い無しなルフィはマイペースにゆっくりゆっくり縄を解いていた。
一方私も縄をほどこうと頑張っているのだけど、なっかなかほどけなくてやけくそにやっていたらなんか絡まった。
「お！解けたよ。片方の手っ！」
「馬鹿野郎！刀をよこせ！！」
ルフィが解けた！と紐をプラプラさせる中、私は一向に解けなかった。
ルフィよりもできなかったってことに対して少し悲しくなった。
ルフィがロロノア・ゾロに刀を渡したのを横目に私は邪魔にならないようにとぼとぼと、その場を少し離れた。
「俺に逆らう奴ァ全員死刑だァ！！！」
その声に続くようにして、ロロノア・ゾロを襲う海軍たち。
だけど、それは強い衝撃音と共にそれ以上前に進むことは無かった。
ロロノア・ゾロが何とか縄から脱出し、自身の刀で海軍たちの刀を防いだのだった。
意外にも様になっているそれは、不覚にもかっこいいと思えてしまうものだった。
ロロノア・ゾロに、刀。
まさに鬼に金棒だわ。
睨まれた海兵たちは震え上がっていた。
ご愁傷さま。
「海賊にはなってやるよ…約束だ！！海軍と一戦やるからには俺もはれて悪党ってわけだ…だがいいか！！俺には野望がある！！！」
野望…そういったロロノア・ゾロの瞳は強い意志がこもっていた。
「世界一の剣豪になることだ！！！こうなったらもう名前の浄不浄もいってられねェ！！悪名だろうがなんだろうが俺の名を世界中に轟かせてやる！！！さそったのはてめェだ！！野望を断念するようなことがあったらその時は腹切って俺に詫びろ！！！」
野望ねぇ…というよりも、信念…。
なにかわけがありそうだね。
でも、世界一の剣豪かぁ…。
海賊王に、世界一の剣豪。
夢があるっていいなぁ。
ううん、夢じゃないか。
なりたい、じゃなくて、なる、だもんね。
「いいねえ世界一の剣豪！！海賊王の仲間ならそれくらいなって貰わないと困る！！！」
「ケッ、いうね」
もう先を見据えてるんだもの。
自分がなるって疑わない。そんな姿勢。
だから出会う人皆がルフィに惹かれるんだと思う。
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作者名：瀬成 | 作成日時：2024年1月5日 13時
