26話 ページ28
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お、お前……一体何者だよ…」
『何者っていうほどのものでもないですよ。副船長兼、音楽家兼、船医兼、戦闘員ってところです』
驚いたというよりも、有り得ない…というに近い表情をしたロロノア・ゾロはその説明じゃ納得してくれないようだった。
『…私怪力馬鹿なんです。力が有り余ってるんですよ。さっきのは直径1メートル、重さ約50キロの岩を素手で木っ端微塵に砕いたんです。そして、その石の塊をさっき銃弾が飛んできた場所へ投げ返したんです。昔射撃が上手い人に教えて貰って、今では百発百中です』
まるで恐ろしいものでも見たかのような、なんとも言い表しがたい表情をしたロロノア・ゾロはただ一言「そうか」とだけいってそのまま黙ってしまった。
黙られると少し不安になるから、正直やめてほしい。
「とにかく俺のことはいい、はやくお前らは逃げろ。俺は一ヶ月耐えれば助かるんだから」
その言葉で「そういえば」と思い出す。
まだ、ロロノア・ゾロにあのことを伝えていなかった。
そう思ったときにはもうコビーくんが叫んでいた。
「助かりませんよ！！あなたは三日後に処刑されるんです！！」
だからこそロロノア・ゾロをここに置いておく訳にはいかない。
なんとしてでもここから出さなければならない。
今ここにずっといるとロロノア・ゾロは助からないから。
「約束を初めから守る気なんてなかったんです。だからルフィさんはあなたにかわってあいつを殴ったんだ…！！！真剣に生き抜こうとしたあなたを踏みにじったから！！」
「な…なんだと…！！？」
『だから、あなたをこのままここに置いておくわけにはいかないんです。黙って助けられてください』
にしてもこの縄…強情だわ。なかなか解けない…。
私の怪力じゃ縄を解くなんてそんなことできないし…。
海楼石ってわけでもないのにめんどくさいわね。
「そこまでだ！！モーガン大佐への反逆につきお前達を今この場で処刑する！！！」
は〜〜〜…もうきちゃったよ…。
縄はほどけてないっていうのに。
「面白ェことやってくれるじゃねェか…てめェら4人でクーデターでも起こそうってのか？」
そんな簡単な話だったら、世の中難しくないわよ。
口には出さないけれどそんなことを思いながら、じりじりと少しずつ後ろに下がる。
少しずつ。
「ロロノア・ゾロ…てめェの評判は聞いてたがこの俺を甘くみるなよ。貴様の強さなど俺の権力の前にはカス同然だ…！！！構えろ！！」
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作者名：瀬成 | 作成日時：2024年1月5日 13時
