20話 ページ22
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「すごいのね、お兄ちゃん！私胸がすっとしちゃった！お姉ちゃんも、誰もが思ってることをあの人にいっちゃえるんだもの！すごいわ！」
『あ、ありがとうございます…』
「リ、リカ！！こっちへ来なさい！！」
そういって、女の子はお母さんへ家へ連れられて行った。
私たちと一緒にいたら危ないものね。
もし仲間だと思われればまたあの親子に死刑だなんだと騒がれ殺されかねない。
去り際の女の子の顔が申し訳なさそうだったのが、こちらまで申し訳なくなったけど気にしない。
海賊は嫌われるものだもの。
こんなことでへこたれてなんか居られないわ。
それに、私たちがそばにいないことであの子達を守れるのなら私達は喜んで離れる。
死なれる方が何よりも一番悲しいもの。
「やっぱりただじゃ済みそうにありませんよ！！例の大佐が怒って下手すれば海軍が動く恐れも…」
「その時はその時だ！おれ、ゾロにあってくる」
『ルフィ、私も行くよ』
「あぁ」
私はあのモーガン大佐の一言で海軍が動くとは思えない。
あの人町の住民から嫌われてるもの。
海軍って人々を守るんでしょう？
守れていない人が海軍を動かせるわけないもの。
「A〜普段無表情なのが更に変な顔になってるぞ〜」
『よく見てるね』
隣を歩くゴム人間は前を向いて歩いていたはずなのに、表情がわかったらしくヘラヘラと笑っている。
「眉間のシワ、伸ばさねーとばあちゃんなったとき大変だぞ」
『失礼よ』
「ははっ」
笑ってる場合じゃないっつーの。
さっきの状態からどうやって普通の状態に戻れっていうのよ。
私はルフィみたいにメンタル鋼じゃないんです〜といえばまた笑われた。
もう、この人は…。
ルフィの笑った顔見ていると嫌なことも忘れてしまう。
あーあ、なんだか気が抜けちゃった。
「あのー…」
「ん？」
そんな私達のやり取りを見ていたコビーくんは静かに、声を上げた。
そして、聞きにくそうに、小さな声で聞いてきた。
「お二人は…一体どういったご関係で…」
『あー…』
「Aは俺の妹みたいなもんだ！」
「妹？」と不思議そうに小首を傾げたコビーくん。
そりゃそうだよね、流石に兄妹には見えないよ。
「本当の兄妹じゃないけどな！でもまあ、家族であり仲間だ！」
�牴搬沖�
その言葉が無性に嬉しくて、へらりと笑ってしまう。
まるで花が咲いたようにふわりと。
その笑顔にコビーがただただ見とれていたことに、Aは気づいていない。
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作者名：瀬成 | 作成日時：2024年1月5日 13時
